港北区 人物風土記
公開日:2014.03.13
歴史研究者で本を出版するなど活躍を続ける
山田 篤美さん
大倉山在住
「どうして?」が発火点
○…「歴史の通説から抜け落ちている、事実。強者の論理だけではない『声なき声』に光をあて、発掘していきたい」。そう語る言葉は力強く、声は弾むようだ。歴史研究者・美術史家として本や論文を執筆・発表。昨年中央公論新社から出版した「真珠の世界史」は、新聞や雑誌の書評で取り上げられたほか、テレビにも自ら出演し解説を加えるなど、注目を集めた。
○…「真珠の世界史」は、大航海時代、ベネズエラが真珠の産地だったためヨーロッパ人から略奪され、バハマの先住民が海から採取する役割も強制的に担わされる。過酷な労働により、彼らは絶滅していく―。こうした歴史から葬られた事柄を、英語とスペイン語の資料を読み込みながら、文章に書き起こしていった。資料集めのためには、ニューヨークやワシントンの図書館にも足を運ぶ念の入れ方だ。「書き上げていく段階では1日10時間書斎の机に座っていましたね」
○…大阪府出身。子どもの頃から読書と美術が好きで、興味が沸くと「親にどうして?どうして?ばかり聞いていました」。大学卒業後、ジャーナリズム志望だったことから、アメリカの大学院でさらに学ぶ。そこで美術史に触れことが契機となり、現在のキャリアをスタートさせた。料理が趣味。色々な食材を使いながら台所に立つ。執筆活動の合間には夫と大倉山周辺をジョギングしたり、散歩したり。「季節の花を愛でられて嬉しい。今なら梅ですね。都心へのアクセスも便利で、生活を楽しんでいます」と笑顔を見せる。
○…真珠の奥深さ、素晴らしさを普及しながら、次は、以前からテーマとしてきた大航海時代ついてさらに広い視野で書いていく考え。「勉強していくと、点と点がつながり、知識が深まっていく。それが楽しくて仕方ない。若い人たちにももっと海外に目を向け、色んな事を面白がってほしいですね」。好奇心旺盛な少女のような瞳だった。
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