大倉精神文化研究所 区内映像ロケ地 調査 記念館など多数紹介
(公財)大倉精神文化研究所(注)が港北区内でロケが行われ映画やドラマの調査を行った。歴史的建造物である大倉山記念館を中心としながらも、意外に多くの場所で撮影されており、興味深い内容だ。研究所では、同館が今年創立30周年を迎えることから、それに合わせ企画展も予定している。
きっかけとなったのは今年5月、菊名地区センター再開館記念シンポジウムで、同研究所らが「ドラマ・映画の舞台は港北区」と題した講演会を開いたことによる。NHKの朝の連続テレビ小説「花子とアン」の主人公・村岡花子の義父の村岡平吉が小机出身であり、改めて映像作品と港北区の関連性に注目が集まっている時運でもあった。
調査を行ったのは、研究所の平井誠二研究部長と林宏美さん。記念館で撮影された作品は録画し、地域住民から得た情報は可能な限りDVDを購入して確認作業を行った。インターネットも活用したという。
毎年40件程度の依頼
平井部長は大倉山記念館がロケ地として多く活用される理由として、古典主義の建築物の魅力、山の上にあるため民家などが映りにくい立地条件の優位性、公共施設のため利用手続きが定まっていること――などを上げる。同館によると、毎年コンスタントに30〜40件程度の撮影依頼があるという。
具体的には、映画「遠き落日」、松任谷由美さんのCDジャケット「DA・DI・DA」、連続ドラマ「安堂ロイド」などで使われている。
記念館以外では、単発ドラマ「めぞん一刻」の篠原西町の坂道、紀行・情報番組「若大将のゆうゆう散歩」の菊名駅周辺、映画「解夏」の新吉田町の鶴見川の河原などがある。
平井部長は「公益財団法人でもある当研究所の新たな役割として、これまでの紙を中心とした資料集めのほか、映像作品の収集にも力を入れていきたい。映像や動画は、その時代の地域の様子を端的に示してくれる貴重なものです」と話している。
研究所では、記念館創立30周年に合わせて、秋の芸術祭で今回の調査結果を紹介する企画展を予定している。
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