ブラジリアン柔術日本代表として8月の世界大会に出場する 平尾 悠人さん 仲手原出身 27歳
笑顔に秘める闘志
○…全国に300以上の道場があり、約3万人に親しまれているブラジリアン柔術。マイナス66kg級でアジア・オセアニア予選を突破し、8月29日・30日にブラジル・サンパウロで行われるブラジリアン柔術世界大会「アブダビコンバット2015」に初出場する。世界最高峰と言われる同大会。各大陸の予選を勝ち抜いた強者たちとの対戦に「レベルが高いので一戦一戦集中したい」と謙虚な姿勢を見せる。
○…港北区仲手原生まれ。4人兄弟の末っ子で少年時代から活発だった。「ケガが多くて親が呼び出されたこともあった」と恥ずかしそうに笑う。高校は地元武相に進学。この頃、大晦日にテレビの特番で格闘技を観たことがきっかけとなり、神奈川区のX―TREME柔術アカデミーに入門した。最初はなかなか試合で勝てなかったが、「勝ったときが嬉しくて、また味わいたいと思うようになった」とのめり込んだ。
○…明治大では「女の子が多かったから」とスキーサークルに入ったが、柔術の稽古は怠らず、3年次には全日本選手権で優勝した。横浜市消防局に就職後も仕事後や休日を稽古に充て、25歳で再び全日本優勝。世界選手権で3位の成績を収めた。現在は、神奈川消防署査察係で消防設備点検などを行う。「昼休みになると、坂でダッシュする」と少しの時間も無駄にしない。「体力、メンタル面ともに消防の仕事にも役立っている」
○…他部局への出向などにも興味を持つ、働き盛りの27歳。同消防署に異動してきた2年前から、一人暮らしを始めた。休日には、フットサルで汗を流したり、地域で評判の博多ラーメンの店に入ったり、気分転換を図る。今年生まれた甥っ子にもデレデレ。先日会いに行ったときにスマートフォンで撮った写真を眺めて「叔父バカです」と目尻を下げる。柔和な表情で「世界の子どもたちに柔術を普及させたい」と夢を描く。
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