神奈川県主催の「かながわシニア起業家ビジネスグランプリ2017」で、区内を中心にウクレレの習得教室を運営する松浪芳之さん(60)が、「ベンチャー部門」で神奈川県知事賞に次ぐ優秀賞に輝いた。1日にはパシフィコ横浜で表彰式が行われた。
同グランプリは、超高齢社会の進展によって、長年培ってきた知識やノウハウを生かして起業に挑戦するシニア層が増えている背景を受け、起業者や今後起業を考えている人を応援することを目的に神奈川県が創設したもの。
起業から5年未満で県内を拠点に活動している50歳以上の起業家を対象とした『ベンチャー部門』と、1年以内の起業を予定している50歳以上が対象の『プラン部門』の2つに分けられ、113件の応募があった(ベンチャー27件、プラン86件)。
松浪さんがウクレレ教室を始めたのは2008年で、当初はボランティアとしての取り組みだった。その後、13年には、東日本大震災の震災遺児の進学の夢を叶えるために開催したチャリティーコンサートを企画する活動も行ってきた。会社員として勤めながらの活動が続いたが、定期的にウクレレの体験会を開催するなどした結果、当初30人だった生徒は徐々に増え、「しっかりと運営したい」という思いが強くなり、起業に至った。
現在は「ウクレレで笑顔サークル」という教室名で港北区を中心に、青葉・緑区でも活動している。現在約100人の生徒がおり、「初心者でも2時間で世界の名曲を演奏できる」と生徒からは好評だ。特徴は、参加者同士の交流を重視し、少人数のサークル形式にする点。シニアが参加しやすい教室運営を心掛けているという。
受賞を受け松浪さんは「ウクレレは音楽経験や年齢にかかわらず自分の表現で演奏ができ、人と人がつながる楽器。このようなコミュニティビジネスを評価して頂けたことを大変嬉しく思います。今後は500人、1000人と生徒数を増やし、豊かな市民社会の創出を目指したい」と話した。
審査委員の一人は「ウクレレを通してコミュニティを作り出している点を評価した。何より、松浪さん自身がウクレレに惚れ込んでいることが伝わった」と話した。
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