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港北区 人物風土記

公開日:2020.03.12

写真家で、日吉で常設ギャラリーを開く
瀬尾 拓慶さん
元住吉出身 29歳

写真の美しさ、広めたい

 ○…撮影のモットーは「被写体ではなく光を切り取る」。細かい光の陰陽を捉え立体感のある自然風景を収め続けている。展示する写真は加工せず、現場で撮影したものをそのまま使用する。現像する際も職人に一枚一枚丁寧に印刷してもらうほどのこだわりよう。「自然をそっくりそのまま切り取ったような作品を届けたい」

 ○…美大で”光”を学び、それらを写真で表現しようとカメラの世界へ。自然の中でも一番魅力を感じるのが”林道”だ。奥多摩で撮影をした時に、釜めし屋の主人に勧められたのがきっかけ。「冒険心をくすぐる非日常的な雰囲気が大好き」と少年のような笑みを浮かべる。冒険の友は、PENTAXとジムニー。細かい光の調整が可能なのが気に入ったという愛機を手に、車中泊をしながら撮影するのがお決まり。「朝、鹿が不思議そうな顔で窓をのぞき込んできたこともあった」と白い歯をこぼす。

 ○…人と話すのが大好きな性格。小学生時代は、登校時に商店街の人たちと話し込んでしまい遅刻することも多々あったと苦笑しながら振り返る。中学ではバイオリンに憧れオーケストラ部に入部。その後もギターなどをたしなんだ。音楽の腕前は、写真展に合う雰囲気の曲が欲しいと自作してしまうほど。アイルランド音楽が好きで、休日は演奏動画を見て過ごす。「ティンホイッスルという楽器に挑戦してみたい」と微笑む。

 ○…「実際に現地に行けない人も自然を体験できるように」と2017年、日吉に常設ギャラリーをオープン。季節ごとにテーマを変えて様々な写真を展示している。「日本では、写真を美術品として捉える感覚が広まっていない。価値や美しさを発信し続けていきたい」と力強く語った。

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