新横浜に拠点を置く、医療機器専門商社のソルブ株式会社(井上恵代表取締役)はこのほど、現場の医師やものづくり企業と協力し、医療現場での新型コロナ感染リスクを抑えるための専用マスクを開発した。井上代表取締役は「(考案者の)前畑忠輝教授の熱意に心を打たれた」と話している。
現場の声を形に
今回開発されたのは、内視鏡検査(経口)専用の飛沫対策マスク「Pro M(プロエム)」。口から管を挿入する同検査を行う際に着用する。飛沫可視化実験では、大幅な飛沫量の低減が確認されており、すでに聖マリアンナ医科大学病院(川崎市)の内視鏡センターで活用されている。
マスクの考案者は、医師で同医科大学の前畑忠輝教授。昨年6月頃に、医療機器ディーラーとして以前から関わりのあったソルブ(株)営業本部の友田聖司所長がアイデアを聞き、「現場の先生の声を形にしたい」とプロジェクトが動き出した。
横浜市が進める医工連携推進事業の一環として、同社から依頼を受けた横浜企業経営支援財団(IDEC横浜)が製造企業をマッチングし、有限会社ロッキー化成(都筑区)が製造を担った。「医療現場の求めるものになるように」と友田所長が間を取り持ちながら、6〜7回の試作を経てマスクが完成。顔の輪郭に自然と沿うような設計のほか、(有)ロッキー化成の提案で焼却時に環境負担が少ない、「LIMEX」という素材が採用されている。
「卸売業者は日頃から医療現場を目にする機会が多い」と友田所長。営業マンとしてだけでなく、医療従事者のリアルな悩みやニーズを聞くことを重要視してきた姿勢が今回のマスク開発につながった。以前も手術後の練習模型の開発に携わるなど、”あったらいいな”を形にしてきた同社。井上代表取締役は「マスクの存在を広め、最前線で戦う医療従事者の方々を守る助けになれば」と意気込みを口にした。
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