「諦めなければ夢も形になる」--樽町在住の南條雄一さん(43)は初の書籍、詩集『ことばの宇宙飛行士』(つむぎ書房)をこのほど出版した。小学生の頃から創作活動に憧れ、音楽創作などを経て、ようやく世に出た一冊。20年分の作品から構成された詩集は、南條さんの人生そのものと重なる。
きっかけは漫画
最初の創作は、小学4年生の夏休みの課題で描いた、ノート一冊分の漫画。当時親戚のツテで、ファンだった漫画家の一人、藤子不二雄(A)さんから『まんが道』を贈られ、そこに「がんばって」とメッセージがあったのが「忘れられないし、今も創作の原動力でもある」と話す。
中学生でギターの魅力に取りつかれ、大学では作詞作曲、バンド活動でライブハウスに出演するなど音楽に没頭した。それだけのめり込んだのは、漫画家を志していた時、周囲の「プロになるのは難しい」との言葉に流されてしまったことへの後悔。「あの時諦めなければ、10年分は成長していたから」
学生時代は「地球は自分を中心に回っている」と思うほど楽しく毎日を送っていたが、卒業後の音楽活動は行き詰まり、初めての挫折を味わった。その後、家電量販店に就職。だが心は満たされず、30歳で再び会社を辞め、創作活動へ。レコード会社のデモテープ審査までは通ったが、デビューは叶わなかった。
結局生活基盤を作るため、33歳でIT会社に再就職。10年間は音楽と関わらず、楽曲で褒められてきた「詩」だけは、自身のセラピーのために書き溜めてきた。結婚し、40代となった時「生まれる子どもに、背中を見せられる自分でありたい」と、これまで書き溜めた詩作品を出版社に何社も持ち込みし、商業出版にまでこぎつけた。
43編の詩は「一枚のティッシュを半分に破って使う 素朴な家族」など平易な表現で、身近な人たちへの愛をうたう。音楽が詩の世界への入り口だったため、韻を踏むなど歌詞のようなラップ調の詩もある。
今後は「WEBの仕事も続けつつ、童話や絵本などにも挑戦してみたい。60代で表現者としてのピークを迎えられれば」。創作への変わらぬ情熱を覗かせた。
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