周辺住民が集う交流場「チャコ村」が東山田町にある。この場所は、近隣住民からチャコさんの愛称で親しまれた故・小泉ヒサさんの小屋を、2人の孫がその愛称から名付けた憩いの場だ。開設から約1年、住民同士の交流などを取材した。
毎日良くして、皆にも良くして、いなくなっても惜しまれるようなそんな一生になればと―。
これは、小泉さんの日記に残されていた言葉。この思いを繋ぐように孫の菊島景子さん(41)と小室順子さん(33)はチャコ村を開いた。
東山田が辺り一面畑だった約30年前。「お茶入れるから上がりなさい」と畑仕事の休憩所だった小屋から、前を通り過ぎる全員に声を掛けていたチャコさん。「越してきたばかりで心細かった時、この言葉に救われた」と話すのは、今も小屋に通う甲斐茂子さん(75)。多くの人に親しまれ、小屋はいつも活気に満ちていた。
しかし、チャコさんが認知症を患ったことで約3年前に小屋は閉鎖。憩いの場は無人となってしまった。それでも小屋を気に掛ける祖母と、集う場所のなくなった近所の人の姿を見て立ち上がったのが、孫の菊島さんと小室さんだ。「祖母と仲良くしてくれた人に恩返しを」という一心で昨年12月、「みんなでつくる みんなの居場所 チャコ村」を完成させた。
野菜作りをする農園や、小学生主催の紙飛行機選手権を開く芝生広場など、訪れた人で作る空間のほかに、愛されていた小屋も月・火・木・金の11時〜16時に開放している。そして、誰よりも村の完成を喜んだチャコさんは活気を取り戻した小屋を見届けるように今年の2月、91歳で亡くなった。「ここには祖母の思いがしっかりと残っている。大切に守りたい」と菊島さんはほほ笑んだ。
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