就労支援Ｂ型ＴＥＤ
イラストコンで１位
日本生命の社会貢献事業

　日本生命保険相互会社横浜北支社＝西区＝が実施した「紙ファイルイラストコンテスト」で、仲町台の就労継続支援Ｂ型事業所ＴＥＤに通う利用者の作品が１位に選ばれた。作品は紙製のクリアファイルとして制作され、同社の営業活動に使用されるほか、デザイン使用料や工賃がＴＥＤなどに支払われる。

　コンテストは、同社が共生社会の推進を目的に実施しているもの。横浜市内の障害者施設の利用者が描いた文字や原画をデジタルデザイン化し、販売している一般社団法人ヨコハマフォントとの協業で行われている取り組み。同社が営業活動で使用する紙製クリアファイルのデザインを障害者施設から募集し、環境問題への配慮や障害者収入支援などのダイバーシティプロジェクトとして実施されている。

　今回は、横浜市内の障害者施設から「横浜」にちなんで描かれたデザインを募集。３案まで絞り、８月から同支社の職員が客への訪問時などに投票を呼び掛けた。約２カ月間で３０７２人の投票が寄せられ、ＴＥＤの利用者が描いた「大空へ羽ばたくカモメたち」が１９５９票を獲得し１位に輝いた。

　１位に選ばれたデザインを描いた利用者は、12月８日に行われた表彰式で「こうして表彰されますこと、とても嬉しく思います。みなさまのご協力あってこその受賞だと思っております。感謝いたします。これからもこうして、障がい者にフォーカスが当たるような活動が増えますと社会もより良くなっていくと思いますので、わたしもそのお手伝いができてよかったです。ありがとうございました」と受賞のコメント（原文ママ）を寄せた。

小さなデザイン事務所

　ＴＥＤを運営する一般社団法人ＴＥＤ（大川晋平代表理事）は、デザイン用ソフトの技術を身に着け、グラフィックデザインやＷＥＢサイト制作をメインに行う。前職がプログラマーの大川さんは、都内の就労継続支援Ａ型での勤務経験を持つ。「デザインに特化した小さなデザイン事務所のような事業所を開きたかった」と２０２２年４月に開所。指導員にデザイナーを４人置き、専門的な技術指導を行っている。今回の受賞ついて大川さんは「率直にうれしい。これを機に企業に働きかけ、貢献したい」と今後の展望を語った。