池辺町の長王寺住職で横浜市仏教連合会会長として2月6日に「涅槃会(ねはんえ)」を主催する 山本 信行さん 池辺町在住 82歳
「心の拠り所でありたい」
○…市内432の寺院が加盟する市仏教連合会で、4年前から会長を務める。来月には釈迦の命日である2月15日の「涅槃会」に合わせ、その遺徳をしのぶ法要を開く。「宗派を越えて会員同士が協力し、地域の方に仏教をより身近に感じてもらえれば」と穏やかに語る。
○…神奈川区にある高野山真言宗遍照院で、男5人兄弟の末っ子として生まれる。「いつも障子は穴だらけ」というやんちゃな兄たちとは対照的に、母親のおつかいを手伝う大人しい少年だった。戦争の影響で小学校4年から3年間、山梨県にある寺院に疎開。「冬になるとおひつの中にあるご飯が凍るくらい家中寒かった。それでも贅沢はできないから食べていたけどね」と目を細める。その反動からか「よく食べて、よく飲むこと」が趣味。「当たり前のことが今は幸せ」と笑顔を見せる。
○…大正大学卒業後、都内にある寺院で事務職員として、僧侶になるため修行に訪れた多くの人々を支援。28歳の時、「未来を担う子どもを育てたい」と保土ケ谷区にある明倫学園(現・横浜清風高校)の国語教諭として教壇に立った。10年後、兄から300年以上の歴史を持つ池辺町の長王寺を引き継いで住職に。二足のわらじを履きながら、63歳まで教職を全うした。「休む間もないくらい忙しかった。今でも教え子から年賀状が届いたり、子どもを連れて寺に会いに来る姿を見ると、自分がしてきたことは間違いじゃなかったと思う」
○…後継ぎがいないなど、少子高齢化に伴い檀家数が減少しているという昨今。「仏教に興味を持ってもらいたい」と区仏教会の顧問として、区内32寺院の名木や旬の花などを紹介した冊子を発行するなど、広報活動にも力を入れる。「寺は困りごとを気軽に相談できる心の拠り所でありたい」
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