神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
都筑区版 公開:2019年7月18日 エリアトップへ

大正末期〜昭和の北山田から 第30回 都筑区の歴史を紐解く 文・絵 男全冨雄(『望郷』から引用)

公開:2019年7月18日

  • LINE
  • hatena

高等科から青年学校

 一年一学期が終わらぬうちに先生は召集され、自習が続いた。

 先生は次々戦地におもむき補充がつかず、その上、学校は軍隊に占領され、生徒は各公民館、神社、お寺に分散授業が行われた。教科書、帳面、鉛筆、食糧不足がせまり、弁当を持って来れない生徒がだんだん増え、さつまいもを持ってくる者は良い方だった。

 家庭も手不足になり、学校に赤ちゃんを背負い勉強に来る生徒が増えた。

 今思うと、日本全国の生徒は、”おしん”だったと思う。

 その当時の教育は耐えることを一番学んだと思う。それが今日まで、いや一生続くだろう。

 学校ははじめ重機機関銃部隊が入り、一階部分は床をはがし倉庫になり、他には兵隊が入った。校庭は馬小屋になり、完全な兵隊屋敷になった。

 ほとんどが召集老兵で、今思えばかわいそうだった。将校も不足が目立ち、自分の子供みたいな学徒即席将校に往復ビンタをくい、訓練に明け暮れていた。

 ちょうどその頃、中川青年学校は銃剣術では県下一を誇る優秀校だった。防具も百五十セットを保有、一年は木銃、二年は模擬銃、三年は模擬銃と牛蒡剣、四年は三八式歩兵銃、牛蒡剣、薬莢、訓練により背嚢を背負い、装備も県下では右にでる学校はなかった。

 召集兵と青年学校生徒と銃剣術の試合が校庭で行われたが、親子みたいな取り組みでは結果はわかったようなものであった。

 みじめな老兵は気合いも入らず、生意気な即席学生将校には腹が立った。
 

都筑区版のコラム最新6

4月 生き物協奏曲の始まり

都筑中央公園季節の便り

4月 生き物協奏曲の始まり

寄稿/NPO法人都筑里山倶楽部

4月4日

目のお悩みQ&A

コラム㊺専門医が分かりやすく解説

目のお悩みQ&A

『網膜剝離と診断されましたが、どんな治療が必要になるのでしょうか?』

3月28日

「BUNTAI」で歴史刻む

FLY THE FLAG横浜ビー・コルセアーズ vol.6

「BUNTAI」で歴史刻む

選手らがセン南などで広報活動

3月28日

どう過ごす?あなたにとっての大切な時間(とき)

どう過ごす?あなたにとっての大切な時間(とき)

第9回 多職種連携で尊厳ある暮らしを

3月14日

3月 自然織りなす幻想風景

都筑中央公園季節の便り

3月 自然織りなす幻想風景

寄稿/NPO法人都筑里山倶楽部

3月7日

タイトルへ「我慢強く」

FLY THE FLAG横浜ビー・コルセアーズ vol.5

タイトルへ「我慢強く」

森井主将がダービーに意気込み

2月29日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 3月28日0:00更新

  • 2月22日0:00更新

  • 2月1日0:00更新

都筑区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

ハープで名曲奏でる

みなとみらいホール

ハープで名曲奏でる

4月27日にコンサート

4月27日~4月27日

都筑区版のイベント一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月24日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook