10周年を迎えた(一社)日本ヒューマンビートボックス協会の代表理事を務める TATSUYAさん(本名:和田辰也さん) 横浜市在住 34歳
体ひとつで楽器と己を表現
○…声や息、口の動きを使って楽器さながらの音楽を奏でるヒューマンビートボックス(HBB)。奏者の増加と技術向上をめざして立ち上げた団体が10周年を迎えた。スキルを競う主催大会も10回の節目。その歩みとともに奏者のレベルは格段に上がってきた。「世界で戦える選手がどんどん増えているのが嬉しい」と感慨深げだ。
○…発足のきっかけは自身がプレイヤーとして出場した世界大会。2009年当時日本人の出場は珍しく、海外の技術に圧倒された。国内の奏者が連携しより活性化する必要性を感じ24歳で協会を設立。「共感してくれた周囲のサポートがなければ、ここまで来られなかった」と話す。近年は様々なミュージシャンによって楽曲に取り入れられるようになってきたHBB。自身もステージやメディアで演奏するなど第一線で活躍を続け、普及に努める。
○…家族から「そこにいたの」と言われるほど物静かだった少年時代。そんな自分を変え「生まれてきた証を残したい」と悩むなか出会ったのがHBBだった。「20歳の頃、演奏する奏者を生で見て衝撃が走った」。見よう見まねで練習を開始。かねてから好きだったという弦楽器の演奏方法を口で再現したところ、その独自性が海外から評価された。「自分らしさを出せば出すほど認められた。そんな精神性がHBBの魅力です」
○…HBBはとりわけ子ども世代への広がりが著しい。日本の小学生が海外進出を意識し、英語でパフォーマンスする光景は珍しくない。一方で「音楽は厳しい世界なので『HBBで食べていける』と無責任に啓蒙すべきでない」とも。自分と向き合い、思いを表現するひとつの手段として、さらに愛される状況をめざし活動を続ける。
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