戻る

都筑区 トップニュース文化

公開日:2022.03.31

淡島社
「力石の歴史を後世に」
石碑が完成し除幕式

  • 厳かに行われた神事

  • 完成した石碑

  • 現存する6つの力石

 折本町の淡島社にある力石(ちからいし)の伝えを記した石碑が完成し、3月26日に除幕式が開かれた。世話人や地元の折本町内会のメンバーら約20人が参加して厳かに神事が執り行われ、念願の石碑の建立を祝った。

 力石とは江戸時代から明治時代にかけて鍛錬や娯楽として力試しに使われた石のこと。日本全国に力試しの習わしとして広がったとされる。昭和初期までは各地で行われていたという。ただ近年では廃れ、力石が行方不明になる中、一部は地域住民によって集められて神社や寺院に奉納されることもあったとされる。

 「年貢米を納める人の力自慢に使われたもの。自分たちがわかっているうちに資料として残さなければいけないと思った」。そう話すのは淡島社総代の加藤恒雄さん。

 淡島社に現存するのは大小6つの力石。かつては境内に散在していたという。10年以上前に1カ所に集めたが、これまで置いておくだけの状態が続いていた。そこで、この知られざる力石の歴史を後世に残そうと、加藤さんや世話人らが石碑づくりを企画。知り合いの大学教授に依頼して力石の歴史を調べた。

 完成した石碑には江戸時代に年貢米や物資などを鶴見川の水運を使って江戸に運んでいたため、流域に多く力石が分布したと解説。また村の力持ち仲間が「力持中」を組織して活動していたことなどを紹介している。

 照本禎宮司は「6つも残っているのは珍しい。中でも練習用の力石があるのは稀ではないか」という。加藤さんは「過去の人が続けてきたことを後世に伝えるのは私たちの役目。日本でも数少ない女性の祭神をまつっていることに加え、もう1つ誇りになることができた」と話している。

ピックアップ

すべて見る

意見広告・議会報告

すべて見る

都筑区 トップニュースの新着記事

都筑区 トップニュースの記事を検索

コラム

コラム一覧

求人特集

  • LINE
  • X
  • Facebook
  • youtube
  • RSS