5月1日付で神奈川県家具協同組合の理事長に就任した 横内 昭次郎さん 大熊町在勤 87歳
「親切はしっぱなせ」
○…県家具工業組合の理事長を20年以上務め、2020年に合併した県家具協同組合の舵取りを任された。「我々が若い頃に比べ、今は組合の魅力を打ち出すのが難しい」と話すが、状況に甘んじている訳ではない。6月9日から横浜市役所で行われるイベントは、若手経営者が中心となって進めてきたもの。次世代へのバトンタッチを視野に入れ、組合組織の若返りや後進の育成に力をいれる。
○…18歳で生まれ育った山梨県を離れ、横浜市内の木工会社に就職した。木材加工の技術を生かした大手メーカーの家電開発などに従事し、技術を磨いた。そんな折、30歳手前で独立話が舞い込んだ。最初は激怒した社長もすぐに「若い人の一生を保証するなんてできない。やりたければ今すぐやれ」と背中を押してくれた。「結果的に仕事も持って行っていいと言ってくれた。先輩に恵まれ、人に恵まれ、ここまでこられた」
○…快活な語り口や身のこなしから、若々しさがにじむ。趣味は22歳から始めたゴルフ。今でも週に1回はプレーをする。自身の年齢以下で18ホールを回りきる「エイジシュート」も達成した腕前だ。「商売だけの付き合いだと視野が狭くなりがち。趣味でつながると面白い」。培った人脈は仕事にも生きた。
○…区内大熊町にある会社には、会長となった今でも出勤し、デザインや設計に没頭する。「技術畑でやってきたから、仕事をやっている方が楽しい」と笑顔で話す。座右の銘は、独立を許してくれた社長から言われた「親切はしっぱなせ」。見返りを求めず、自分のやれる範囲のことはやる、と胸に刻んだ。「組合での活動もその一つ。親切にすることは誇ることでも、自慢することでもないんです」
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