大規模地震の発生が危惧される中、必要性を指摘されているのが、停電復旧後に出火する「通電火災」対策。横浜市では大きな揺れを感知すると自動的に電気を遮断する装置「感震ブレーカー」の設置普及を進めている。
大規模地震時の火災発生状況を見ると、阪神・淡路大震災で85件(61%)、東日本大震災で71件(65%)を電気関係が占めている。中でも通電火災を防ぐため、避難時にはブレーカーを落とすよう呼び掛けられてきた。ただし被害状況によっては、ブレーカーの切断が困難な状況も想定される。そこで通電火災の防止効果が期待できるとして、注目されるのが感震ブレーカーだ。
同装置の必要性については1995年の阪神・淡路大震災後、防災関係者の中で叫ばれており、横浜市でも2013年7月に導入のための補助金制度を創設。しかし全国的にも普及は進まず、内閣府が22年に行った「防災に関する世論調査」で「設置している」と回答したのは5・2%(参考値)に留まった。
市は、昨年の元日に発生した能登半島地震の被害状況を受け、普及対策を加速。それまで木造密集地域に限定していた感震ブレーカーの購入・設置費用の補助対象を、24年度から全市域に拡大した。ただ申請できるのは自治会・町内会やマンションの管理組合単位で、個人の申込みは重点対策地域および対策地域のみだったため、24年度の申請は自治会・町内会から2437件、個人から610件と、合計3047件だった。
補助割合を拡大
25年度はさらなる普及をにらみ、約1億7千万円の予算を計上。全ての市域で個人世帯での申込みを可能にする。また、これまで導入費用の50%で最大2000円だった補助を、重点対策地域においては、100%まで引き上げる。市担当者は「補助金の申請受付は6月初旬からを予定。簡易的な感震ブレーカーもあるので、設置を検討してほしい」と話している。
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