都筑区民生委員児童委員協議会の会長で今春、藍綬褒章を受章した 小林 達夫さん 川和台在住 77歳
目配り・気配り・心配り
○…春の褒章受章に「身に余る思い」と恐縮する。地域住民や子育て世代の相談を聞き、必要な支援機関につなげる役割の民生委員・児童委員。受章はおよそ四半世紀におよぶ活動と区協議会の会長としての功績からだが、「区内各地区で活動する約170人の仲間を代表していただいたと思っている。皆がいてくれたおかげ」と周りに感謝し、頭を垂れた。
○…民生委員・児童委員就任のきっかけは、当時委員だった隣人夫婦が転居し、空席が生じたこと。「どうしたものか」と自治会の中で思案に暮れていた時、自治会の副会長だったこともあり、「代わりが見つかるまでなら」と引き受けた。暫定のつもりが、以来24年。「当時の自治会長は『代わりが見つかったから、もう大丈夫』と思ったでしょうね」と苦笑いで振り返った。
○…埼玉県越谷の生まれ。明治生まれの厳格な父のもとから「逃げ出したい」思いもあり、進学と共に上京。動植物の生態観察などの研究職を経て、横浜で小学校の教員に。初めて卒業に立ち会った当時の子どもたちが還暦を迎える年代で、年に1度の「クラス会」が楽しみの一つ。動植物好きは今も変わらず、餌が少ない冬場は庭に鳥の餌台を作り、野鳥観察や撮影を楽しむのが「至福の時」と目を細める。運動も好きで、かつては社会人やシニアのサッカーチームを作りボールを追いかけた。現在も都筑区サッカー連盟の会長を務めている。
○…新住民や若い世代、要支援者の中には自治会に加入していない住民も増え、民生委員・児童委員の存在、役割を知らせていくのも課題の一つ。自治会の役員として対面を大事にしながら、地域住民の困りごと、変化を見逃さないよう目・耳・心を配る。