都筑区 スポーツ
公開日:2025.09.18
川和中
歴史作った「初心者」剣士
創部初の関東大会出場
今年の夏も部活動で区内の中学・高校の活躍が目立った。その中で川和中女子剣道部は、創部45年目で初めての関東大会に出場した。部の新たな歴史を作ったのは、中学入学と同時に剣道を始めた「初心者」たちだった。
創部以来、男女合わせて初めての関東大会出場を決めたのは、部長の集治詩央里さん、大将を務めた倉知綸さん、槇野安莉さん、乳井くるみさん、西本心美さんの3年生5人と、林陽花乃さん、生藤歩さんの2年生2人。小学3年生から始めた倉知さんを除き、皆中学入学から始めた「初心者」。
入部のきっかけについては一同、入学直後の仮入部で感じた「先輩の優しさ」と「先生の面白さ」と口を揃えた。
それから約2年半。基本動作から厳しい練習に食らいつき、3年間の集大成が部の歴史を塗り変える結果を生んだ。
前年の悔しさバネ
関東大会に出場するには横浜市大会、神奈川県大会で上位まで勝ち上がる必要があり、道程は長く険しい。
同部は昨年、市大会で敗れ、県大会の出場を逃している。当時の3年生と一緒に市大会に出場していた倉知さんら2年生は、敗戦に強く責任を感じていた。新チームは「先輩たちへの恩返し」を胸に、全員で関東大会出場を誓い、チーム一丸で厳しい稽古を重ねた。
学校での部活動は時間が制限されているため、自主的な朝練をするなど1年間、主体的にチームを作っていった。「下級生は休まずついてきてくれた。おかげで皆の思いが一つになった」と部長の集治さんは感謝した。
7月の市大会でベスト8まで勝ち上がり、県大会出場を決めた同部。関東大会には神奈川県から6校が出場でき、県大会で準決勝(ベスト4)まで勝ち上がれば、自動的に出場できる。一方で準々決勝で敗退すると、敗れた4チームによるリーグ戦で上位2チームに入らなければならず、精神的にも肉体的にも「地獄」(倉知さん)が待っている。
ベスト4を決める大一番。3人目まで引き分けが続く膠着状態の中、副将の集治さんが一本勝を収めリード。倉知さんが大将戦を引き分け、初めての関東大会出場が決まった。部員らは「有言実行できてよかった」(槇野さん)、「めっちゃ泣いた」(林さん)、「恩返しできてよかった」(乳井さん)と喜びと安堵の気持ちを表した。大将の倉知さんは「皆きつい稽古に耐えてきたので絶対いけると信じていた。良い仲間に感謝」と語った。
同校のOBで、彼女たちを指導する星野篤史さんは「昨年県大会に出れず、皆負い目を感じていたが、その悔しさが最後の底力につながった。関東大会出場は練習以外に挨拶や掃除なども疎かにしなかったご褒美だと思う」と部員らを称えた。
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