緑区 社会
公開日:2026.03.12
緑化、地域資源活用、共生
学生視点で緑区を深掘り
研究の学びをインタビュー
緑区にはどんな魅力があるのか、そしてどんな可能性があるのか。緑区をフィールドにして論文を書いた区外在住の学生3人にインタビューを行い、研究を経て得た学びについて語ってもらった。外からの視点で身近な街を深堀りする。
テーマは三者三様だが、3人とも緑区内で取り組まれている「珍しい」事例に注目をした。
自然素材が熱さを緩和
川口桃瑚さんは中山にある「Co─coya」という建築物を研究対象に選んだ。ここは元々、築60年の木造住宅で、改修にあたり屋根と外壁に自然素材を使用した。計測器やサーモグラフィを用いて調査をした結果、草屋根は非緑化屋根と比べて室内に流れる熱量を抑制できる効果があることが分かったという。また、土壁は方角や周辺環境によっては表面温度が上昇しにくいことも計測された。庭などに緑を取り入れると、表面温度が低い土壁と緑に囲まれた空間が生まれる。すると気温が同じでも、表面から放射される熱量の違いから体感温度を下げる効果が期待できるという。
川口さんは空き家の増加が社会問題となっていることについて「今後は既存住宅をいかに有効に活用・改修していくかが重要」と言い、自然素材を生かした改修や庭先の緑化などで「緑のネットワークを増やしていけば、気温を下げることは難しくても、暑さを和らげることができる。緑区は市内で最も緑被率が高い。可能性があるのでは」と話した。
住民主導で地域の価値を高める
中山エリアには「Co─coya」を含む複数施設が点在し、この一帯は「753village」と呼ばれ、ゆるやかなコミュニティが形成されている。森田彩日さんはこのエリアを研究対象地に選んだ。論文では地主や地域プレイヤーへのヒアリングなどを通して、今の「753village」に至るまでの経緯を時系列を追って精細に描き出した。森田さんは「鉄道会社や住宅デベロッパーによる大規模な開発ではない」点を強調する。ここでは地主が短期的な収益を優先させずに所有する不動産を地域プレイヤーに提供している。すると移住者らを呼び込み、結果として地域資産や緑地を活用した拠点が複数生まれた。それがエリア一帯の「面」としての魅力向上や、移住者の増加による安定した不動産運用にもつながっているという。
森田さんによると、1976年から2021年にかけて首都圏近郊整備地帯では田・農用地の約35%が建物用地へ転換された。農地の宅地化が進む中でも中山エリアのように「一人の地主が複数の土地建物を一帯で所有している場合は活用方法について意思統一がしやすく、地域資産を生かしながら長期的な視点でまちの価値を高められる可能性がある」と話す。
他者との共生に重要な橋渡し役
一方で緑区には、大規模な宅地化と市が誘致したインターナショナルスクールの開校という外的な要因によって、インドからの移住者が集中している場所がある。清水春希さんが研究対象地に選んだ霧が丘では、文化的背景の異なる地域プレイヤーが共生に向けて特徴的なコミュニティを形成しており「753village」とは異なる事例が観察できるという。
清水さんによると、緑区のインド人人口は市区町村別で全国で3番目に多い。2010年頃から急増し、25年6月末時点で1638人となった。彼らにインタビューを行い集住要因や生活実態を調査する中で、日本社会とインド人を橋渡しする存在の重要性を感じたという。霧が丘では、16年に日本人有志らが立ち上げた「霧が丘インターナショナルコミュニティ」というグループがある。彼らは地域の日本人との国際交流や行政機関との仲介などに積極的に関与し、「インド人が日本人と共に暮らしていくにあたり重要な役割を果たしている」と注目し、調査を進めた。世間で関心が高まる外国人政策にも触れ、「霧が丘はインド人と日本人の距離感が近い。一方で、地域にインド人コミュニティへの反発があることも事実」とし、「今後外国人人口が増えるであろう日本において、霧が丘での更なる研究は意義がある」と語った。
3人の論文の詳細に関心がある人は、タウンニュース緑区編集室に問い合わせを
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