都筑区 文化
公開日:2025.12.11
NPO法人SCC
寄付者と一緒に実践
多様性理解カードでWS
NPO法人Sharing(シェアリング) Caring(ケアリング) Culture(カルチャー)(SCC、三坂慶子代表理事)が11月30日、異なる文化や価値観の理解を目的に作成した「ダイバーシティ・トークカード」を使ったワークショップを開催した。
SCCは都筑区で外国にルーツを持つ家族の子育て支援や多文化教育プログラムなどを行っている団体。カードは外国にルーツを持つ子どもたちへのいじめや差別の深刻化が進む現状を受け、日本の子どもが対話を通じて互いの違いを理解し、受け入れるための教材として地域の中高生らと共に開発。ワークショップはカードの増刷や改訂のために実施したクラウドファンディング(CF)の返礼品の一つ。CFは120人から126万円の寄付が寄せられ、目標を達成した。
ワークショップは、栄区のあーすぷらざで開催された多文化共生イベント「あーすフェスタかながわ2025」にあわせて行われた。この日のイベントは誰でも参加できるため、寄付協力者のほか、飛び入りで参加した親子などもいた。
理解すれば理解される
参加者は性別を理由に言われて困った言葉や、異国の文化や違いを認識することの大切さなどを記したカードを使い、自身が体験したことや感じたことなどを語りあい、意見を出し合った。
参加した中塩由香子さんは磯子区の外国人市民への支援や多文化共生を推進する拠点施設「いそご多文化共生ラウンジ」で事務局長を務める。同施設はSNSでCFのことを知り、カードを研修で使用したいとの思いから協力したという。中塩さんは「実物のカードを見たのは初めて。カードの表に書かれた端的な言葉が『なぜ日本に住む外国人から発せられたのか』の文化的背景がカードの裏に書かれており、課題が見えるようにできていた。実際にカードを使ってみて、他の人の意見も聞け、自分になかった気づきがあり、視野が広がった。カードが広まり、さまざまな立場の人とつながれば、多文化共生につながると思う」と語った。また小中学校での利用はもちろんだが、「地域に広げていくのが重要だと思うので、自治会や町内会に拡げていきたい」と今後の抱負を語った。
CFの目標達成について三坂さんは「全国から予想以上の寄付が寄せられ、カードを必要としてくれる人、応援してくれる人の多さに手応えを感じた」と喜んだ。三坂さんによるとカードはこれまで教育現場を中心に使用しており、大人を含めた一般を対象に使用したのは今回が初めてとのこと。「カードを通して、まず相手を理解することが大切で、そうすれば自分も理解されることが伝われば。理解不足ゆえの偏見が減らせるのでは」と期待を寄せた。
カードの改訂版は1月末ごろには完成し、返礼希望者に送られる予定。
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