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公開日:2026.04.30

都筑区 子どもの「つながり」応援 区独自予算で「居場所」創出

  • 子どもの「つながり」応援 (写真1)

  • プロジェクトのイメージ図

    プロジェクトのイメージ図

 都筑区は2026年度、区の自主企画事業の一つとして「こどもの居場所づくり」をテーマにした新しいプロジェクトを立ち上げる。事業は、小中学生が安心して自分らしく過ごせる「居場所」の創出と、それを取り巻く地域のネットワーク構築を柱としている。

 事業は子どもたちと区内で活動する子育て支援者の連携を強化することで、区内の小中学生が安心して自分らしくいられる地域づくりを目指す。

 中でも「小中学生の居場所づくり」に重点を置き、子育て支援などに取り組む団体同士のネットワークづくりや居場所となり得る場・機会の情報を提供するツールの作成などを進める。事業費として新年度予算には約373万円を計上。事業の成果を測る指標として、区は「安心できる地域の居場所が十分にあると感じるこどもの割合」を現状の13・8%から、29年度に50%まで引き上げる目標を掲げている。

きっかけは区制30周年

 「子どもの居場所創出」について、新規事業を立ち上げるきっかけとなったのは2024年の「区制30周年」だった。

 区では30周年の記念事業などでさまざまな取り組みを進めるにあたり、多くの関係者と交流を図り、その中で「昔に比べて子どもたちの居場所が少なくなった」との声に多く触れる機会があったという。

 都筑区は、横浜市18区の中でも人口に占める子どもの割合が最も高く、平均年齢も若いことなどから、子ども支援に取り組む重要性の高さを区役所の各課でも共有していた。子どもの居場所の不足については「あまりピンとこなかった」(区のある課長)と述懐する。

 区では、居場所の過不足について、子どもたちに直接聞き取ることを思い立つ。昨年6月、学校の協力を得て、1人1台支給されているタブレット端末を利用し、小学3年生から中学3年生まで1万3365人を対象に子どもたちの「居場所」についてアンケートを実施、実情を調査することにした。

 回答した3040人のうち「放課後や休日に、普段過ごしている場所以外に過ごせる場所が欲しい」が63・9%に上った。これに対し「地域の居場所が十分にある」と感じている割合はわずか13・8%に留まり、子どもたちのニーズと現状の間に大きな乖離のあることが浮き彫りとなった。

 子どもたちの「過ごしたい場所」としては、地区センターやコミュニティハウスなどの既存施設が挙がった。

 地区センターは、地域住民の文化・教育活動、レクリエーション、集会のための拠点施設で区内には5カ所設置されている。同様の機能を持つコミュニティハウスは、小・中学校の余裕教室などを活用して設置されており、区内7つの小中学校に併設されている。

環境整備に部署横断既存施設なども活用

 アンケート後のヒアリングで、両施設については子どもたちから「訪れても良いのか、利用しても良いのかがわからない」との回答があったことから、居場所として認知されていない現状が明らかになった。また「居場所に関する支援は未就学児の親子に対して手厚かった一方、学齢期の子どもたちは、生活リズムの変化や放課後・休日の過ごし方が多様化する時期であることから、各家庭任せになっていた」などの課題も見つかった。

見える化とネットワーク化

 地域で子どもを見守る大人側からも、「場を提供するだけでなく、安心できる大人との関わりや、自分で選んだ経験ができる機会が必要」との意見も寄せられていた。事業はこうした「場」と「機会」の不足を解消するため、居場所情報の「見える化」などを中心に、学齢期の子どもたちのための「居場所づくり」に焦点をあてた取り組みに特化。「小中学生の健やかな育ちを支える地域づくりプロジェクト」と名づけ、区長をトップに、総務課、区政推進課、地域振興課、福祉保健課、子ども家庭支援課と複数の課を横断し、それぞれの役割を果たす。

 具体的施策として、行政、子育て支援者、関係団体などが集う「都筑区子どもの居場所推進会議(仮称)」を設置。交流会の開催など居場所の運営主体同士のネットワーク構築を進める。また小中学生が利用できる「場・機会」を網羅した情報提供ツールを作成する。

 子どもたちが地域の居場所を認知し、実際に足を運ぶための仕掛けとして、学校教育との連携を強化し、地域の人や組織を知るための「出前授業」も実施。地域の中で多様な世代と交流することで、子どもたちの自己肯定感の向上につながるとともに、地域へと関心を広げることで、家庭や学校以外の「第三の居場所」に対する心理的ハードルを下げる狙いもある。

 さらに居場所の質的向上も図る。地区センターでは、スタッフ向けの研修を実施し、見守り体制を強化。専門的知識を持つコーディネーターの派遣も予定されており、子どもたちと大人が適切に関われる環境を整える。

記者の目

 新事業は、行政がハブとなり、点在する地域の善意や資源を一本につなぐ試みと言える。子どもたちが「地域に受け入れられている」と感じながら成長することは、将来的な郷土愛や社会性の形成に大きく寄与するはず。この取り組みが、都筑区をより一層「子どもたちが健やかに育つまち」へ進化させる契機となることを期待したい。

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