旭火災予防協会の新会長 佐藤 利明さん さちが丘在住 70歳
孜々営々(ししえいえい)に、今を楽しむ
○…8年間副会長を務めて今年4月、第4代目の会長に就任。11期22年間にわたり歴任した前会長からバトンを受け継いだ。旭区内の273事業所が加盟する協会。自衛消防隊の育成や出初式の助成など、区民との関わりは少ないように見えるが、地域防災の土台を支えている。「会長と言っても会員の協力があってこそ地域に貢献できる。背伸びせずにやっていきたい」
○…二俣川出身。左官職人だった父の影響を受け、中学卒業後は夜間の高校に通いながら、昼間は家業を手伝うように。そのころから建築家を志し、27歳で家業を継いだ。1985年には不動産と住宅建築をメーンにした「藤松産業(株)」を設立。「毎日が真剣勝負だった」と振り返る。現場へ出向き、設計から管理まですべて担当。少しでも不安な箇所があれば、やり直した。「ひたすら一生懸命。より良いものを作ろうと思い続けてやってきた。お客さんが喜んで長く付き合ってもらえるように」。営業マンを持たないため、紹介で仕事を増やし続けた。「楽しみながら増えていった」と微笑む。手を抜かない仕事ぶりが、今を作った。
○…「ずっと胸の内にある」という座右の銘は「孜々営々」。読書中に見つけて気に入った。「辛抱しながら一生懸命やるという意味。自分のモットーかな」と明るく笑い飛ばしながらも、言葉に込める思いは深い。「今の時代は職人気質だけでは家づくりはできない。総合芸術みたいなもの」と指摘。2006年には現役を引退し、会長職に就いた。
○…マージャン、乗馬、ジャズ鑑賞、読書、旅行、落語など趣味は多すぎるほど。営業が苦手だったために「どんなお客さんとでも話が合うように、と思って趣味が増えていった。お互いが楽しいほどいいから」。自らを「強運の持ち主かも」と思うほど、周囲に助けられて今があるという。「夢はあくまで夢。寝ているときだけ見ればいい」。今を楽しむ術を知っている。
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