旭・瀬谷電気工事協同組合の理事長に就任した 金子 澄博さん 金が谷在住 62歳
技術屋のプライド貫く
○…生活に欠かせない電気。時代とともに電気設備も進化し、それに伴い技術向上も求められる。旭、瀬谷区内の電気工事会社89社が加盟する同組合の理事長として、組合全体のレベルアップを図る。「景気はまだまだだけど、下ばかり向いていられない。明るく盛り上げていきたい」。前理事長の推薦を受けての就任。「器じゃない」と謙遜するが、持ち前のプラス思考で組合をまとめる。
○…電気配線や照明器具の取り付け、コンセントの設置など電気の頼れる「技術屋」だ。そんな同志たちはライバルであり、大切な仲間。「お酒の場でも仕事の話で盛り上がることが多い。いい情報交換の場にもなる」。価格競争などもあるが、値段を下げて事故があっては元も子もない。「技術の安売りはしたくない。プライドを持って仕事をしてほしい」。穏やかな眼差しが、一瞬強くなった。
○…長崎県出身。工業高校を卒業後、電気工事会社に就職。32歳で独立し、中尾に「金子電業」を立ち上げた。事務作業は妻に任せ、1人で全ての仕事を請ける日々。「とにかく夢中だった。若さのせいかもしれないけど、辛くても楽しくてね。やれば返ってくるから頑張れたなぁ」と振り返る。その後は、ぽつぽつと社員も増え、仕事の規模も拡大。15年前には現在の金が谷に事務所を移転させた。後継者不足も懸念される業界だが、長男の博さんは2代目として会社を支えてくれている。「息子に会社を託したら、親父のダメだったところを直してもらいたいね」。父親の表情がちらり。
○…社員によく言うことがある。「失敗してもいい。ただし、同じ失敗はせずに次に生かせ」。落ち込んで、考え込んでも結果は出ない。それならば、次につなげるしかない。「いいかげんと言えばそうなんだけど、くよくよ考えてもしょうがないから。前向きに、元気にやっていきたいですね」。”好い加減”を見極めるのがうまいようだ。
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