マスターズ水泳で104個の世界記録を持つ 米沢 祥子さん 中希望が丘在住 78歳
年重ね、増す輝き
○…幅広い世代が参加するマスターズ水泳。65歳で初めて世界記録を出して以来、重ねた記録は104個を数える。2006年、70歳の時には31個の世界記録を更新。同年、アメリカのスイミングワールド社の雑誌で「世界で一番活躍したスイマー」として、日本人初の表紙を飾った。現在も練習で週5日プールに通い1キロを泳ぎ、定期的に大会に参加する。「大会は刺激があって楽しいし、全国大会では多くの仲間とも会える。何より水泳が好きだから」と笑顔が弾ける。
○…熊本出身。幼いころは川で朝から晩まで泳いでいたという。戦時中には、上空を敵機が飛ぶなか泳ぎ続け、防空壕に避難していた家族に怒られたことも。鹿児島本線の汽笛を合図に川に飛び込み、「向こう岸の畑まで行って、トマト取って。悪かったですよ」と振り返る。高校2年生で水泳部に入部。初出場した大会で県の高校記録を更新して優勝した過去も持つ。
○…高校卒業後は水泳から離れていたが、50歳でたまたまマスターズの大会を知り、「出ようかな」と再び泳ぎ始めた。当初はクロール中心だったが、偶然出場した平泳ぎで世界新記録を更新。それから平泳ぎや背泳ぎ、リレーでも多くの世界新記録を更新してきた。75歳のとき、ある大会の前々日に足を骨折。「痛くなかったから」と出場し、世界記録を4つ塗り替えた。しかし、後遺症からかそれ以降記録が出なくなった。「一番の原因は年だと思うけど、怪我のせいということにしているの」と明るく笑う。
○…マスターズ水泳は5歳刻みでクラスが変わる。もうすぐ傘寿を迎えるため「今年は調整期間」と話す。そういう今も、大会に出れば敵なし状態。過去の自分との闘いが続く。現在は50mを平泳ぎで約46秒、背泳ぎで約45秒で泳ぐ。「80歳になれば、今のタイムでまた世界記録を更新できる」。年を重ねてなお、明確な目標と未来を見据えて歩み続ける。
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