旭区内の農家や障害者らが参加し、旭区産のサツマイモなどを使って芋焼酎を作るプロジェクトが進められている。現在、芋焼酎は熟成段階で12月上旬に完成する予定。販売予約を受け付けている。
同プロジェクトのきっかけは約2年前。プロジェクト代表を務める、石英ガラス販売・加工を行う「(株)セミコンクオーツ」=川崎市中原区=の佐々木孝太郎社長が、野菜直売所でアイスプラントという野菜を見かけたことだった。
佐々木さんは異業種交流会「神奈川県中小企業家同友会」に所属。同友会会員らと東日本大震災の復興ボランティア活動を行っている。その一環で、アイスプラントの栽培が塩害の影響を受けた被災地に効果があると考え、生産者である「八ッ橋農園」の八ッ橋政彦さん=東希望が丘在住=に連絡。佐々木さんと八ッ橋さんのつながりが生まれた。
その後、すぐに農園を訪れた佐々木さんは「農作業の人手が足りなくて」という八ッ橋さんの声を聞いたことで話が急展開した。佐々木さんは、この話を同友会の仲間でもあり、中希望が丘で障害者の就労支援などを行う「(株)まちふく」の田中博士社長に相談。八ッ橋さんと障害者の就労をつなげるきっかけとなった。
障害者らが八ッ橋農園で作業を始めたのは、13年6月ごろ。サツマイモ・キャベツなどの栽培に携わった。同年秋、サツマイモの収穫時期を迎えたころ、「このイモで焼酎が作れないか」というメンバーの思いで、焼酎作りのプロジェクトが動き出した。
厚木で製造、川崎で販売
「焼酎はどこで作ってもらえるのか」。メンバーらが奔走する中、同年10月、同友会会員の紹介で厚木市にある老舗酒造会社「黄金井酒造(株)」の黄金井康巳社長と知り合うことができ、酒造所が決まった。原材料の栽培から販売まで、県内産にこだわった焼酎の名前は「かなちゅう」。9月中旬に収穫されたイモなどを原料に生産を開始。12月上旬に完成する予定だ。「障害者が単純作業ではない焼酎づくりに参加することで、自信につながると思う。神奈川産の焼酎『かなちゅう』を県民の皆さんに知ってもらいたい」と佐々木さん。
焼酎は、同友会会員の「(株)久保田酒店」(窪田隆太郎社長)=川崎市川崎区=で予約販売。1本720ミリリットル2700円(税別)。240本限定。問合せは【電話】044・211・1234。
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