野球殿堂エキスパート部門表彰者に選出された 平松 政次(まさじ)さん 神奈川区在住 69歳
反骨心で殿堂入り
○…代名詞は「カミソリシュート」。浮き上がるように右打者の胸元をえぐる速球を武器に、低迷する大洋ホエールズにあって通算201勝をあげた大投手だ。このほど、プロ野球などで顕著な活躍をした人を称える野球殿堂入りを果たした。「まさか自分が選ばれるとは思わなかった。涙が出るほどうれしく、名だたる顔ぶれの中に入れて光栄です」
○…多くの野球少年と同じく、ミスタープロ野球・長嶋茂雄選手にあこがれた。投手としての素質を見出してくれたコーチを追って、岡山東商業高校へ。3年春には選抜甲子園大会で優勝し、39イニング連続無失点の大会新記録も樹立した。「恩師と出会わなければ、今はない」。一期一会を胸に精進してきた。
○…日本石油で念願の都市対抗野球に優勝し、保留していた大洋への入団を決意。しかし、決して順風満帆ではなかった。「まったく通用しない。このままだと引退するかもしれない」。プロの洗礼を受け、覚悟を決めた3年目のキャンプが転機となった。先輩から「ほかに投げられる球はないのか」と馬鹿にされ、初めてシュートを投げたところ「自分自身が驚くほど曲がった」という。その後、12年連続二桁勝利。投手の最高賞である沢村賞にも輝いた。
○…巨人戦51勝。長嶋選手が最も苦手な投手だったとしても知られる。巨人から1位指名の確約がありながら反故にされた「反骨心」が、プロ野球人生18年を支えた。「巨人戦の前日は、気合が入りすぎて眠れなかった」と振り返る。精一杯やったので現役生活に悔いはないが、「優勝したかった」と一言。
○…三ツ沢に住んで37年。孫と豊顕寺市民の森を散歩することもある。「勝負勘を養うために」と、現役時代からゴルフに夢中だ。「ファンの力が支えになる。応援してください」。ホエールズベイスターズOB会長として、今シーズンにかける思いは強い。
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