イヌザクラ文:清水道夫(瀬谷環境ネット)写真:中村多加夫(同) 瀬谷の生き物だより 171
瀬谷市民の森に隣接するゴルフ練習場南側の畑地の縁に、平地では珍しいイヌザクラ(犬桜)の小高木が一本あり、毎年4月に花を咲かせ目を楽しませてくれる。
本種は本州、四国、九州の丘陵や山地に生える高さ10〜15mになるバラ科の落葉高木である。樹皮は灰色、葉は互生し5〜10cmの楕円形で先は鋭くとがり、縁は波打ち細かい鋸歯がある。
花は5〜10cmの小枝に5mmほどの黄緑色を帯びた白色5弁花を多数付ける。10〜20本ある雄蕊(おしべ)が花弁より長く突き出ており小枝が瓶ブラシの様に見える。果実は卵円形で6月に黄赤色から紫黒色に熟す。
植物名の「イヌ」は役に立たないもの、まがいもの等に例えることが多い。イヌザクラは同じサクラの仲間だが、花の付き方が他のサクラ類と異なることから名付けられたものとのことである。こんな野趣豊かなサクラを愛でるのも一興では。
ちなみに、よく似たウワミズザクラは花の付く小枝の下部にイヌザクラには無い葉が付くことで区別できる。
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