エゾビタキ文:今野紀昭(瀬谷環境ネット) 写真:中村多加夫(同) 瀬谷の生き物だより141
秋は渡り鳥にとって移動の時期である。10月になるとツバメは南方に帰り、北の大陸からはハクチョウやガンが越冬の為日本に飛来する。そんな秋のとある日に、和泉川沿いの林や瀬谷市民の森の張り出した枯れ枝の先に止まる褐色の地味な鳥を目にする事がある。エゾビタキである。
旅鳥として春秋に全国各地の平地から山地の林、林縁、公園の林などに渡来するが、秋は特に飛来数が多い。ヒタキ科の鳥で全長はスズメよりやや小さい14・5cm。雌雄同色で体上面は灰褐色、体下面は白色で明瞭な暗灰褐色の縦斑がある。よく見ると何とも愛らしい目をしている。
ヒタキ科の特徴は英名のFlycatcher(フライキャッチャー)とある通り、枝の先から飛んでいる昆虫をめがけて飛び立ち、空中であっという間に捕食する姿は何とも見事である。よく似た仲間にはコサメビタキ、サメビタキが知られている。
秋は木の実も食し、特にミズキの実を好んで食べる。海を越え東南アジア方面に渡って行く前に、十分な栄養を蓄えるべく盛んに木の実を食する姿を、近くの公園の林や和泉川沿いの林に追ってみるのはどうだろう。
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