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瀬谷区 コラム

公開日:2022.06.16

オオアカバナ 文・写真:中村多加夫(瀬谷環境ネット)
瀬谷の生き物だより149

 2019年7月、旧上瀬谷通信施設跡地の休耕田で、今まで見た事のない紫紅色の花を見つけた。アカバナユウゲショウに似るが、花は直径2〜3cmと大きく、草丈も1・5m程あった。植物の専門家に同定して貰った結果、オオアカバナであることが確認された。神奈川県では初めての確認である。



 何故、突然そこに花が咲いたのか不明だが、鴨などの渡り鳥によって種が運ばれることがあるらしい。以前田んぼでコガモを見たことがある。



 オオアカバナは、アカバナ科アカバナ属の多年草で、本州の中部地方以北にまれに分布する。湿った草原、休耕田などに生育し、花弁は4枚、ハート形で長さ1〜2cm。おしべは8本で4本が長い、めしべは1本で先端は白く4裂で反りかえる。環境省レッドリストでは、「絶滅の危惧II類」に分類されている。



 現在、上瀬谷の休耕田は埋め立てられ、オオアカバナの自生場所は無くなったが、隣の畑と和泉川沿い貉窪公園(寺の脇)に移植しているので、6月中旬から8月頃まで見られる。どちらも毎月定例観察会を行っているので参加してみては如何。

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