第71回全日本学生音楽コンクールの全国大会が12月2日、横浜みなとみらいホールで行われ、ピアノ部門中学校の部で豊田中3年の千葉百香さん(上倉田町在住)が1位に選ばれた。千葉さんは「サポートしてくれた方への感謝を形に表せてよかった」と喜んだ。
音楽の道を目指す小学生から高校生の登竜門といわれる今大会での1位獲得は、念願だった。
この大会には昨年も出場。予選にあたる東京大会で1位になり、全国3位という結果を残したが、決して満足していなかった。「中学の間にけじめとして獲りたいと思っていた。本当に嬉しい」と話す。
海外の同世代に影響
大会で演奏したのは、リスト作ハンガリー狂詩曲第2番。通っている教室の先生に勧められた曲で「華やかで、奔放に弾けるような曲。落ち着きがない自分にぴったり」と笑う。ピアノを弾く瞬間は「ワクワクして、つい突っ走ってしまう」という千葉さん。出場にあたり、いかに落ち着いて聴き手を意識しながら演奏できるかが課題だった。
ヒントとなったのが今年3月に出演した、アメリカのコンクールでの経験だ。驚いたのは、あまりに大人びている同世代の奏者。「演奏も雰囲気も、全部違っていた」。帰国後は、どんなときも落ち着いて演奏できるよう、練習を重ねた。
そして迎えた本番。「こんなに冷静だったのは初めて」という演奏をすることができたという。「次の一音をどのように鳴らすのかを考えながら弾けた。(これまでよりも)一歩進んだ感じ」と語る。
想像力を大切に
「同じ曲でも、弾く人によって個性が出るところが、ピアノの魅力」と話す。このために大切にしているのが想像力を鍛えることだ。今回は「ハンガリー狂詩曲」のイメージを鮮明にするため作曲家に関する文献を読み、想像を巡らせてきた。
特に今夏は、コンクールのためイタリアへ約2週間滞在したことも良かったという。ヨーロッパ独特の風景はもちろん、観客の雰囲気や交流も、演奏曲のイメージづくりにつながり、曲の抑揚やスピードなどの表現にも表れていった。
普段は自宅練習のほか、週に数度のペースで、調布市の音楽教室に通っている。「送り迎えしてくれた母や、見守ってくれた父、そして先生方のおかげだと思う。今後も聴く人を楽しませることを大切にして上達していきたい」と笑顔を見せた。
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