緊急事態宣言が発令され、一層緊迫度を増している新型コロナウイルス対策。政府は感染封じ込めのため、人の流れを止めようとしているが、それは一方で経済への大きな損失を意味する。戸塚区内でこの状況に苦しむ業界や団体などを連載で取材する。
緊急事態宣言を受けて、東京都は4月10日に休業要請を発表。黒岩祐治県知事は同日、県も歩調を合わせる考えを示したが、その報道を安堵とともに複雑な思いで聞いたのが、戸塚美容組合の理事で、県・市の美容組合の理事も務める佐藤栄一さんだ。
というのは、都が理美容店も休業要請施設に入れると連日報道されていたものの、結果は業務継続となったから。「都の決定が県に大きな影響を及ぼすのは確実。ただでさえ厳しい現状のなか、休業要請となれば、店を閉めざるを得なかった。その意味ではほっとした」と話す。世界的なコロナウイルス蔓延を考えれば致し方ないとの思いがある一方、佐藤さんは「美容室は100%安全ではない。しかし、私たちは国家資格を持つ『消毒のプロ』。衛生講習を受け、器具、手指、換気を含めて行政から認められた存在。休業要請されるのは、歯がゆい思いだった」と声をしぼり出す。
70店舗ほどが加入する戸塚美容組合。コロナ感染報道が多くなった2月下旬以後、客数が通常より3〜5割程度落ちる店舗が多くなり、志村けんさんの死去、そして4月7日の緊急事態宣言発令が拍車をかけたという。「当店を含め、多くの店でお客様が訪れる日に波があり、先行きが見通せない。私たちも心理的につらい」と佐藤さん。組合としては店内に掲示できる、安全性を訴える掲示物を作成したり、経営面での相談経路を案内したり、加盟店の支援を続けている。土屋肇会長は「業務継続と決まったからには、今まで通りのサービスでお客様をお迎えしたい」と語る。
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