セカンドシーズン 連載【5】 介護の「本質」考えてみませんか 「温度差へのバリアフリー【2】」
前回に続き、「ヒートショック」について書かせていただきます。今回は、ヒートショックの危険な場所について。
一般的に「脱衣場と浴室(浴槽)」「トイレ」といった暖房器具のない水廻りが危険であるということは知られていると思います。ひとつは急激な温度差が生じないように暖房器具を使用することをお勧めいたします。
浴室の場合は、事前に浴槽に湯が張っている際はフタを開けておくことや、高い位置からシャワーでのお湯張りも浴室の温度を上げるため有効です。
他にも注意しなければならない場所はあります。
●リビングと寝室・廊下・キッチンの移動●サウナ室と水風呂●新聞を取りに行くなどのちょっとした外出●起床時布団から出る際など、日常生活内で温度差が生じている場所になります。
ここで、「新聞を取りに行くなどのちょっとした外出」に近い内容を介護従事者として目を向けたいと思います。介護現場、入所サービスであれば365日24時間、通所サービスであれば利用日の利用時間内は温度調整のもと生活されていることが多い状況です。その状況から「何かしらの理由で外に出る」ことがあります。その際は、しっかりと衣服で防寒対策はしているかと思います。
しかし、温度差を考えると室温25℃前後に対し外気温10℃以下で温度差が10℃〜15℃以上なっています。衣服での防寒をしていたとしても、身体的な負担は相当あるのではないでしょうか?
この負担は「身体的不快」に分類されると思います。この「不快」は、以前に書かせていただいた認知症の進行の原因にもなってしまう「不安・不快・恐怖」(ストレス)となりかねません。特に、通所系サービスであれば利用日に毎回その不快を感じてしまっていることになります。
決まった時間に帰宅されることを考えると、逆算して1〜2時間前から室温を外気温に近づけていくことが重要です。「温度差へのバリアフリー」へのかかわりの一つで、ヒートショックへの対策でもあります。
このことが、何かしらの疾患から介護認定がついてしまった方の生活の営みを護るかかわり(ケア・介護)になると思います。
身内の方で介護サービスを利用されている方がいらっしゃいましたら、その点の確認も大切になるのではないでしょうか?
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