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戸塚区・泉区 コラム

公開日:2025.11.13

セカンドシーズン 連載【10】
介護の「本質」考えてみませんか
「財布の重要性【1】」

 認知症の診断を受けると、早い段階で「財布(お金)」を持たせてもらえないケースがあります。ご家族からすれば「失くしたら…」と心配になるため、ご家族が管理されるケースも多くあるかと思います。

 さらに高齢者を狙った詐欺が増えていることや、認知症がある方とわかればご家族の留守を狙い訪問し財産搾取と言ったケースなどの報道が後を絶ちませんので、予めの対処としては理解できますので、家族が管理することがすべて悪いとは思いません。

 しかし、早い段階から財布を持たないように「説得」して預かってしまうことは避けたほうが良いと思います。※場合によっては奪われたと認識される方もいらっしゃいます。くどいようですが、認知症は基本的には急に記憶が失われることや突然色々なことができなくなるわけではないことを理解してほしいと思います。

 かかわり方次第で、初期の状況で何年も生活ができている方もたくさんいらっしゃいます。ここで、重要なことが初期の段階で「本人を説得」するのではなく「本人が納得」できるような話し合いをしっかりとすることです。

 「説得」は相手が不安や不快・不信感を感じることが多いですが、「納得」は腑に落ちることで「自分のことを思ってくれている」などの安心を感じることに繋がることが多いです。例えるなら北風と太陽ではないでしょうか?

 北風が「説得」で、旅人のコートを強引に脱がそうとした結果、逆に身を固めてしまいました。太陽の方法は「納得」で、旅人がコートを脱ぐように環境を整えた結果、自らの意志で脱ぐ。金銭だけではありませんが、本人が納得する・しないは今後の生活に大きく関わってくることは間違いありません。

 しかし、ご家族にしてみれば心配事の一つですので、お互いの妥協点を探し「落としどころ」を考えていくことが重要になると言えます。

 説得は、自分の思いの押し付けになりやすく、お互いストレスを感じることが多いのでご注意ください。主人公抜きで脚本を作るより、先ずは主人公と一緒に「備えある生活」を考え一緒にストーリーを創っていくこと。そのことで、お互いのストレスは軽減し少しでも良い結果に向かっていくのではないでしょうか?

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