神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

サファリパークDUO 姉弟ユニット、音で魅せる 障害持ちながら成長

公開:2013年11月7日

  • LINE
  • hatena
琴音さん(左)と郷詩くん
琴音さん(左)と郷詩くん

 小田中学校3年の野村琴音さんと、小田小学校4年の郷詩くん姉弟が組む、小さなジャズユニット「サファリパークDuo」が11月2日、小田コミュニティハウスで行われた「第63回富岡第一地区 社会を明るくする運動大会」でライブを行った。障害を持つ琴音さんの吹くトランペットと、郷詩くんの奏でるピアノの演奏に会場は拍手に包まれた。

 「サファリパークDuoです」と元気良く挨拶する琴音さん。「次の曲は…」と言葉につまると、「『A列車でいこう』です」と郷詩くんがフォローする。

 実は琴音さんは特定の場面や場所で言葉を発せられなくなる「場面緘黙(かんもく)症」を患う。そのため学校では一言も話せない。それがライブではMCも務める。この日も2人で13曲を演奏し、人懐っこい笑顔を見せながらアンコールにも応えた。

「困難と思わない」

 元打楽器奏者のおさむさん(48)とピアノ教室で教える由美子さん(48)の元に、1349gの未熟児で生まれた琴音さん。知的障害と運動機能の発達に遅れがあり、5歳までは歩けなかった。赤ちゃんの頃から音楽に囲まれて育ち、おさむさんのマリンバを叩いて遊んでいたという。「打楽器をやってくれればと思っていた」と由美子さん。個別支援学級で学んでいた小学5年生の4月、所属した音楽クラブでトランペットを選ぶとは想像もつかなかった。両親と出かけた演奏会で仲良くなったトランペット奏者に憧れていたという。手足の力が弱いため楽器を支えることは容易ではない。当初は少し吹いては休憩の繰り返しだった。

 徐々に上達し、ステージにも立つようになった姉の姿に触発され「僕も演奏したい」と郷詩くんが名乗り出たのは2010年3月。小さな手で演奏できるピアノの練習を始め、4月にユニットが誕生。「いつでも素。サファリパークの動物のように自由に動きまわるから」と、その名がついた。

 現在までに120以上のイベントや音楽祭でライブをこなしてきた姉弟。「いつも前向き」が琴音さんのモットーだ。「苦労や困難とは一切言わない」と由美子さん。雨の中のライブも「演奏できて楽しかった」と笑うという。

 一昨年、小田小学校で行われたコンサート。話せなかった小学校でMCが成功した。今まで琴音さんの声を聞いたことのなかった教師は大号泣。「思い出したら泣けてきちゃった」と琴音さんは涙を滲ませる。場をこなす度に成長を実感している。

 来年からは高校生。トランペットを続けていきたい。「全国を回って皆が笑顔になれる演奏をしたい」と満面の笑みを浮かべた。

金沢区・磯子区版のトップニュース最新6

DX対応でサイト新設

地域子育て支援拠点

DX対応でサイト新設

6月開始のアプリと連携も

5月9日

木星探査機開発に貢献

横浜プレシジョン

木星探査機開発に貢献

宇宙科学研究所から感謝状

5月9日

楽器や音楽を身近に

杉田劇場

楽器や音楽を身近に

大学生主体で公演企画

5月2日

家庭との連絡法を統一

横浜市立学校

家庭との連絡法を統一

アプリ活用で新システム

5月2日

こどもホスピスへ理解を

設立の動き全国各地で

こどもホスピスへ理解を

4月25日

謝金、倍額に引き上げ

特別支援教育支援員

謝金、倍額に引き上げ

ニーズ発掘し、人員確保へ

4月25日

あっとほーむデスク

  • 5月2日0:00更新

  • 4月25日0:00更新

  • 4月18日0:00更新

金沢区・磯子区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

バックナンバー最新号:2024年5月9日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook