季節の花【2】「モモ」 梅・桃・桜の順開花 桃太郎はなぜ桃なのか 日本自然保護協会自然観察指導員金子昇(富岡西在住)
桃の節句は過ぎましたが「モモ」の話をしましょう。
モモは中国原産で、古い時代に日本へ渡ってきました。また中国からペルシャ(現在のイラン)そしてヨーロッパへ伝わり、「ピーチ」という名がつけられました。ピーチはペルシャ語で「ペルシャのアップル」という意味です。
昔は、山桃、酢桃、桜桃(サクランボ)、扁桃(アーモンド)、唐桃(アンズ)等の果物には「桃」という字が使われていました。西洋で果物を「○○アップル」「○○ベリー」で表すのと似ていますね。
枝につくモモの花を見ると、1枚の葉の左右に一輪ずつ咲かせています。ウメは一節に一輪です。ちなみにサクラは、長い花梗が数輪下がっています。
中国ではモモの花は「陽」を表し「陰」を祓うといわれています。鬼はモモを嫌うとされ、鬼を退治するという伝説があり、ここから「桃太郎」の話が出たのかもしれません。日本でも女子を悪鬼や邪悪から守る願いが桃の節句だといわれています。
関東地方では、一般にウメ、モモ、サクラの順に花が咲きだしますが、北へ行くにつれ休眠条件によりウメの開花が遅くなります。北海道ではサクラ、モモ、ウメの順に開花することが多く、その中間に位置する福島県三春町では、3種が同じ頃に咲き出すのでこの町名がつけられました。
中国から伝来した当初は観賞用でしたが、明治に入りフルーツとして改良されました。モモの葉は湯船に入れると、あせものケアに効果があるといいます。
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