金子さんの草花の不思議発見第16回 イタドリ アスファルトも突き破る力 文・日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇(金沢区富岡西在住)
写真(上2枚)は「イタドリ」の新芽が、厚いアスファルトを突き破って地上に出てきたところです。植物は私たちが想像つかないほどの大きな力を持っています。植物は動物のように移動できないため、種子が落ちた場所(環境)は最初から定められており、たまたまアスファルトの下に置かれた種子は、精一杯の力を出し切り、何とか地上まで伸びていこうと必死なのです。このイタドリもそうした努力の結果、やっと地上へ顔を出すことに成功した賜物です。こうした例は屋根の上、縁の下、排水溝、マンホールの中などでも見られ、中には石垣やコンクリート以外に、電車のレールを押し上げたり、堤防を破壊したりして大きな被害となることもあります。
イタドリは、市内で普通に見られる多年草で、大きいのでは背丈以上に伸びるものもあります。別名「スカンポ」(酢模)といい、新芽をてんぷらや漬物等にして食べます。また薬用としても利用され、葉を揉んで傷口にあてがうと止血することから、「痛みを取る」が名の由来になりました。痛みを取ってくれるはずのイタドリが、道路やレール等を破壊することで、逆に人は痛い目にあわされているのかもしれません。
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