野口英世と長浜 第1回 横浜の宝 一号停留所 文/NPO法人野口英世よこはま顕彰会
このコラムでは、一号停留所の保存運動をする野口英世よこはま顕彰会が6回にわたり、野口英世と金沢区長浜とのつながりについて紹介する。
横浜検疫所輸入食品・検疫検査センターの敷地内にある「一号停留所」は、金沢区長浜に残る明治・大正期の建物で、船内感染の恐れがある未発症の1・2等船客を滞在させる施設だ。内外のVIP滞在が想定されたため高級ホテル仕様の設計のほか、不平等条約解消で内外の人々を平等に処遇する近代国家入りを象徴し、建築史的・日本史的にも貴重な建物だ。さらに、検疫所開設時に隣接する細菌検査室とともに建設され、野口英世ゆかりの建物といえる。
2018年の国の文化財登録、23年3月末の長浜での検疫業務終了に伴う存続問題からこの一号停留所の見学希望が高まっている。一号停留所は道路からほとんど見えず、同所がある敷地は柵で囲まれ、勝手には入れない。たとえ正門から入ってもそれらしきものは見当たらず、案内なしではたどり着けない。そんな一号停留所の3年ぶりとなる待望の公開が11月19日にある。現在の姿を見学できる最後の機会かもしれないので、先ずは見学をおすすめする。
一号停留所にまつわるこれらの事情から野口英世よこはま顕彰会では横浜金沢文化協会の支援のもと、国と市に対して一号停留所保存要望の署名活動を進めてきた。その成果か、最近、「移転費用は国が持ち、金沢区内の公園に移築」の合意がなされたとの情報が市中で聞かれる。移築となれば細菌検査室の近くを期待します。
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