金沢区・磯子区 文化
公開日:2023.01.05
薬王寺の菩薩坐像
市指定文化財に登録
横浜市は12月15日、金沢区寺前の薬王寺が所蔵する南北朝時代の法衣垂下像「木造地蔵菩薩坐像」を横浜市指定文化財に登録した。
この菩薩坐像は龍華寺(洲崎町)の末寺である薬王寺に伝来するもの。衣の袖や裾を台座にかけて長く垂らす形式の法衣垂下像で、この形式は中国絵画の形式を写して成立したものと考えられている。14、15世紀に鎌倉地方を中心とする関東で多くの作例が確認されている。
今回指定された菩薩坐像は、頬が張り引き締まった面貌や立体的な裳裾の表現などから14世紀半ば前後の製作と考えられる。典型的な作例でありながら、類品中でも製作年代が比較的さかのぼるものとして重要であり、横浜市の美術史上・文化史上、きわめて貴重な作品とされる。
そのほか、指定文化財には岩田家住宅(中区)と正安寺のイヌマキ(天然記念物/栄区)、地域文化財には本牧十二天緑地(中区)が登録された。今回の指定・登録により、市の指定文化財は 169件、地域文化財は 99件になった。
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