野口英世と長浜 第3回 一号停留所は一流ホテル 文/NPO法人野口英世よこはま顕彰会
このコラムでは、一号停留所の保存運動をする野口英世よこはま顕彰会が6回にわたり、野口英世と金沢区長浜とのつながりについて紹介する。
横浜入港前の本牧沖での検疫検査で法定の患者発見などがあると長浜沖に船を回航。発症・未発症の船客・船員を長浜検疫所に上陸させ、発症者は隔離病棟に、未発症者は体や着衣・持ち物の消毒、同時に職員が沖合の船の船内消毒を行うなどの検疫措置を行った。そのため検疫所には、病棟の他に未発症者の身体洗浄用浴室、着衣等の消毒施設、着衣や船内の消毒完了を待つ休憩室、消毒が終わっても安全が確認されるまで一定期間滞在する停留所、消毒薬や薬剤噴霧機などの倉庫、職員宿舎などがあった。
その施設のひとつが上等船客用の一号停留所。停留者には国内外のVIPが考えられることから建物全体が高級ホテル仕様に。内部は、サンルーム状の廊下の右側に8つの寝室、左側の両端に食堂と談話室を配置。建築史的には富士屋ホテル・日光金谷ホテル・奈良ホテルに並ぶ洋風ホテルの遺構と目され、国の文化財に指定された。
検疫医官補の野口英世は本牧沖で疑似発症者から血液採取、長浜検疫所の細菌検査室で病原菌確認の血液検査、病棟で発症者の治療、停留所で停留者の健康観察などに従事し、職員宿舎で寝泊まりした。
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