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金沢区・磯子区 社会

公開日:2026.08.13

湘南八景自治会 「地域の足」守る道を模索 乗合バスの利用者伸び悩む

  • 三島交通対策委員長(左)と森山副会長

    三島交通対策委員長(左)と森山副会長

 金沢区の東朝比奈・六浦地区で今年4月から本格運行を開始した乗合バス「おでかけシャトル」の利用者数が伸び悩んでいる。

 湘南八景自治会が中心となり、地域の悲願としてスタートしたものの、開始から約4カ月が経過した現在、本格運行を継続するための最低目標人数140人の3分の1程度にとどまる。同自治会は「いま利用者数を増やさないと、バス路線が維持できなくなってしまう」と強い危機感を抱き、路線の存続に向けた利用促進活動に奔走する。

 バスの1日の利用者数は月平均で4月が36人、5月が46人、6月が52人と少しずつ増加傾向に。それでも、2022年の実証運行時の177人と比較しても大幅に減少している。

料金が壁か

 利用者が減少した背景には、社会情勢の変化や制度の壁がある。同地区には、一般路線バスの場合、敬老パスを利用すれば利用者の負担は無料となるが、おでかけシャトルは新制度(みんなのおでかけ交通事業)のもとで運行されているため運賃体系が異なる。運賃は大人360円で、敬老パスが適用されても180円が自己負担となる。

 さらに、バスの運転士不足や労働環境改善(休憩時間確保)の影響で、日中(12時台前後)に約2時間の運行ブランクが生じていることや、コロナ以降、住民の生活圏が六浦駅から金沢八景駅周辺へシフトしてしまったことも大きな要因とみられる。

 「乗車人数が伸びなければ、路線の廃止が検討されるかもしれない」と同自治会の前会長で交通対策委員長の三島千鶴子さんは話す。事業者側からの厳しい見通しを耳にし、自治会役員らは立ち上がった。自治会は限られた予算と時間の中で、草の根のPR活動を展開。利用を促進するためのうちわを作ったり、手作りのチラシや時刻表を印刷し、役員自らが六浦駅前で利用者に直接配布して周知を図っている。

 また、「バスに乗って下さいとお願いするだけでなく、六浦方面へ出かける理由(目的地)を作らなければ人は動かない」と考え、地域のイベントと連動した利用促進策も仕掛けている。7月にはジャズコンサートなどの催しを実施したほか、同自治会が運営する「ほっこりカフェ」でのイベントを六浦方面でPR。イベントや定期的な集まりを企画し、「イベントの行き帰りにバスを利用してもらおう」と策を練る。

 同自治会は今後の運行計画の改善に向けた重要な資料として活用するため、7月下旬から全世帯向けのアンケート調査を実施した。集計結果をもとに、市や事業者との今後の協議に臨む構えだ。

未来を見据えて

「今はまだ歩いて駅まで行ける人でも、地域は坂道が多く、5年後、10年後にさらに高齢化が進めば、家の近くまで来てくれるバス路線の存在が不可欠になる」と森山高行副会長は訴える。

 住民の移動手段という「地域の生命線」をどう維持していくのか。自治体の制度、事業者の事情、そして住民自身の行動が問われている。

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