港南区・栄区 人物風土記
公開日:2012.09.06
「鈴鹿8耐」で名門ヨシムラのサスペンションを提供・調整した
舟橋 潤さん
栄区在住 35歳
「答えのないものを追求」
○…タイヤと車体を繋ぐバイクのサスペンション専門店として港南区日野5丁目に「G sense」を構える。7月26日から29日まで三重県で開催された鈴鹿8時間耐久ロードレースで、過去に4度の優勝経験を持つヨシムラスズキレーシングチームにサスペンションを提供した。調整も現地で行い「優勝経験のあるチームでサポートさせてもらったのは自分の中で大きい」と振り返る。
○…「バイクで一番好きな部品だから」。あえてサスペンションしか扱わない理由はごくシンプルだ。そう思えるのもかつてプロレーサーだった経験があるからこそ。「安全に快適に楽しく」バイクに乗るには速さを決定づけるサスペンションが最重要だと身をもって知っている。その調整は「ここまでやればOK」という明確な答えがなく「乗る人の”良くなった”がすべて。答えのないものを追求し続けていく」と妥協しない。
○…バイクとの出会いは幼少時代。私有地内で小さなバイクに乗せてもらい、走る速さに「すごい乗り物だ」と感動。すっかりバイクの虜となり、15歳までこつこつと購入資金を貯めていざバイクショップへ。しかし店長はすぐには売ってくれず、バラバラになったバイクのパーツを指して「これを組み立てたら売ってやる」。毎日学校の帰りに店長のアドバイスを受け、なんとかバイクを組み上げた。提示された価格は激安。「今思えばとてもあの値段では買えなかったはず」と改めて店長への感謝の思いを口にする。
○…2010年に現在の店舗を開店。しかし「本当は調整よりも乗るほうが好き」。プロ引退後もバイクへの思いは変わらず、レーサーからサポート側に回った今でも、アマチュアとしてレースに参加し続けている。それはライダーの気持ちを理解するためでもあるが「自分たちで作ったマシンを五感で評価するため」とサポートする側のストイックな一面をのぞかせる。
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