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公開日:2014.11.20

精神医療センター
2病院統合し、12月開所
救急、思春期対応を充実

 芹が谷の「芹香(きんこう)病院」と「せりがや病院」を統合した「神奈川県立精神医療センター」が12月1日に開所を迎える。精神科救急医療の充実など、時代に合った精神科医療への対応などが目的で、入院治療から外来中心への転換で患者の自立を促していく。

 県立精神医療センター(岩間久行所長/芹が谷2の5の1)は、難治重症患者を扱う芹香病院と、アルコール・薬物依存患者を扱うせりがや病院を統合する形で新設されるもの。両病院は1990年から精神医療センターとして組織統合されたが、間に市道があったため病院としては別個にて運用されてきた。

 2010年に同センターの総合整備計画が定められ、このほど本館の工事を終えて新たな施設としてスタートを切る。

外来中心の治療に

 新センターの本館は地上5階建。救急病床を60床から70床に増設した一方で、全体の病床数は約60床減の323床に。岩間所長は「従来は入院治療が中心で、長期間病院で過ごす患者が少なくなかった。地域との連携で自立を目指し、外来中心に移行する」と狙いを話す。

 また12歳から18歳を対象にした思春期専門の病床(30床)を新設し、近年増加する発達障害や思春期うつ病などへも専門的な治療を行う体制を整えている。

地域との連携を

 岩間所長によると、総合整備計画に沿う形で2年ほど前から地域との連携は進められており、患者の治療に区の福祉保健サービスや民間の訪問看護も活用し始めているという。それにより「長年入院していた患者も、かなりの人数が地域で暮らせるようになり、退院につなげることができた」と手応えを語る。

 また病院内のグラウンドは地域住民にも開放されており、本館工事の終了に伴い利用が再開されている。さらに、新設された体育館についても「要望もあり、せっかくの設備なので活用してもらえたら」と話している。利用は安全のため、旧建物の撤去工事終了を待ってからで約1年後を予定しているという。

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