2期目議員による市政報告 63 交通安全へ 枠を超え知恵の集結を 公明党横浜市会議員団 安西ひでとし
港南区大久保の市道で先月28日、大変痛ましい交通事故が発生しました。87歳の男性が運転する軽トラックが追突、横転し、登校中の児童ら9人が死傷した惨事でした。被害に遭われた方に心よりお見舞い申し上げ、亡くなった男子児童のご冥福をお祈りします。
総合的な対策を確認
事故を受け、今月11日に港南区選出の議員団会議があり、関係部局から説明と報告がありました。事故の原因は調査中で明らかではありませんが、運転手の供述があいまいなこともあり認知症が疑われています。会議では交通や医療、福祉、まちづくりなどの枠を超えて市や県、国が連携し、超党派で総合的な対策に取り組むことを確認しました。
全国で今、高齢化の進展に伴い高齢ドライバーの事故が増えています。誰もが年を取るにつれ運動能力や視力、瞬時に判断する能力が低下します。65歳以上のドライバーを対象に国は免許の自主返納を呼びかけていますが、そのためにはマイカーに代わる身近な生活の足を確保することが求められます。
認知症対策も喫緊の課題です。来年3月の道路交通法の改正で認知機能の検査が強化されますが、さらに様々な対策が必要です。認知症は自覚がない場合が多く、認知症が疑われる人に対し、運転をやめさせられないケースが少なくありません。横浜市は「認知症初期支援チーム」を立ち上げ、早期診断・早期対応に取り組んでいます。こうした横浜市の施策を生かしながら、警察と連携することが必要です。
また児童の登下校の安全対策も見直しが求められます。事故現場は道幅が約5・2mの一方通行です。安全対策のため、路側帯を塗装するグリーンベルトが施され、学校や保護者、自治会の見守り活動も盛んに行われてきました。
住宅や商店が密集する市街地のため、ガードレールの設置や通行規制を行うのは難しい面があります。運転者に効果的に注意を促す方法が必要です。
この事故を教訓に国、県、市、地域が一丸となって交通安全に向けた知恵を集結させるよう働きかけ、施策づくりに取り組みます。
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