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港南区・栄区 人物風土記

公開日:2018.05.24

28日にひまわりの郷でラストコンサートを開く
柴田 恵津子さん
港南区上永谷在住 80歳

「感情が溢れ出すような舞台に」

 ○…「劇場で育ってきたから、やっぱり劇場が好き」。舞台俳優でもあり、港南区内では朗読教室を開き、またシャンソンの歌声も響かせる。「シャンソン〜それは人生の贈り物」と題し、最後のコンサートを28日にひまわりの郷(港南区上大岡西)で開く。かつて所属していた全国各地を回る劇団「新制作座」の仲間や知人もかけつける。「来てくれた人に満足してもらう楽しい舞台にしたい」と熱い意欲を語る。

 ○…今回の公演は「人生の贈り物」や「ミラボー橋」などのシャンソンを歌い、「葉っぱのフレディ」の朗読を教室の生徒と一緒に披露する二部構成。人生を深く歌う歌詞に惹かれてシャンソンを歌い続けてきた。朗読では、言葉を丁寧に発することを大切にしている。「せっかく来てくれるのだから、ちゃんとした舞台を届けたい」。表現者としてのプロの顔をのぞかせる。

 ○…舞台俳優を志したのは高校生の頃。市立南高校の2期生で、卒業間際に新制作座の劇に心を動かされて俳優を志す。22年間、舞台俳優として歌い踊ってきた。全国各地、さらには海外を飛び回り、時には小学校の体育館で一から舞台装置を作り公演を届けてきた。「子どもたちに本物の照明で劇場を味わわせてあげたかった」。どんなときでも一級品の舞台をおくる努力を惜しまない。「舞台には熱いものがあるの。私の青春よ」と思い出を振り返る。

 ○…80歳になった今でも、ボイストレーニングには月に一度通い、歌声に磨きをかけ続けている。「昔に比べて音域は狭くなったけれど、その分人生の味わいを聴かせられるように」とプロとして本番に向け稽古を続けている。「感情が溢れ出すような舞台にしたい」。劇場で歌う最後の公演へかける情熱が満ち溢れる。

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