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港南区・栄区 人物風土記

公開日:2019.06.20

栄区囲碁連盟の会長に6月2日に就任した
滝沢 隆さん
栄区桂台北在住 74歳

囲碁への恩返し

 ○…栄区は囲碁の世界で一目置かれる存在だ。栄区囲碁連盟、栄区囲碁普及会、日本棋院横浜栄支部などがあり、愛好者の裾野が広い。中でも1986年に発足した連盟は歴史が長い。その舵取り役に就任した。会員は現在、子どもからシニアまで約145人。幹事を務めていたこともあり、気負いはないという。「“こんなに楽しいことはない”ってほどの雰囲気をつくりたい」と満面の笑みを見せる。

 ○…「年齢を重ねると、好奇心を高めることが大切。囲碁が強くなりたくて腕試しに」と12年ほど前に連盟に入会した。会員のほとんどが段位者。囲碁大会の開催を通じて会員の技量向上を図り、交流と親睦を図ることが連盟の大きな役割だ。大会では会員同士の熱戦が繰り広げられるも、「大会が終わった後は必ずみんなで一杯やる。酒があるからみんなうまくいっているんじゃないかな」と笑い飛ばす。

 ○…北海道江別の出身で大学生まで道内で暮らした。大学卒業後はメーカー勤務で九州へ。商品開発・研究の部門で活躍し、全国各地へ転勤することも多かった。「上の立場になると、どうやらみんなからは邪魔だと思われるようだ」。50歳を前に関連企業の経営に携わっていた頃、仕事とは違う時間を作ろうと、囲碁に打ち込んだ。研究への情熱は次第に囲碁へも注がれるようになった。

 ○…「最善の手を突き詰めるのが囲碁。その場面で最善でも全体でみれば最善なのか、よくわからないのが囲碁の魅力」と今なお探究心は尽きない。おおらかな人柄もあって、囲碁を通じて多く人と出会い、その交流を広げてきた。「自分を育ててくれたのは囲碁かもしれない。これからは囲碁への恩返しだね」。持ち前の探究心と好奇心で滝沢流の舵取りが動き出す。

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