8月に市内で全国初上映される映画『咲む』で監督・脚本を務める 早瀨 憲太郎さん 市内在住 47歳
興味の強さ、障害越える
○…6月から全国上映の予定だった新作映画『咲(え)む』。しかし、新型コロナの影響ですべて中止となり「いつ観てもらえる日が来るのか」と不安だった。「公開されて初めて映画が完成したといえる」と話し、8月に地元西区の公会堂で上映が決定したときは「やっとスタートできると思った」と目を輝かせた。
○…全日本ろうあ連盟創立60周年の際に映画『ゆずり葉』で監督・脚本を務め好評を博した。それもあり、70周年記念の今回も監督を依頼された。前作は聞こえない人の権利をテーマにした作品だったの対し、『咲む』は「誰もが関心を持てるエンターテインメント作品」と力説する。「ろう者の女性が主人公で限界集落を元気にしていく内容。観たくなりませんか」とはにかんだ。
○…奈良県出身。ろう者。大学進学を機に横浜へ。10年前から戸部本町で妻と暮らす。1996年にろう児のための国語専門学習塾を設立し、手話による日本語、国語教育を行っている。映像との出会いは2001年に都立のろう学校で映像教材を制作したことがきっかけ。それまではまったくの素人だったという。また自転車競技選手の顔も持ち、17年のトルコ大会では200mスプリントで6位入賞。来年のブラジル大会も視野に入れ練習には余念がない。
○…ろう者は監督一人だけ。役者、スタッフは皆、そうではない環境で作品を撮ることが目標だ。「是枝監督が、本人以外すべて外国人という状況で映画を作った。同じようなことに挑戦したい」と語る。子どもの頃に両親に言われた言葉が今になって心に響くという。「できる、できないではなく、やりたいか、やりたくないか」。その言葉を胸に「やってみたいという気持ちの強さが僕の強み」と笑った。
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