港南区・栄区 人物風土記
公開日：2023.07.27
港南区民生委員児童委員協議会会長を務める
黒川 曉博さん
港南区上永谷在住 75歳
誇り胸に 身構えず
○…見守りや子育て、介護などの相談に応じ、行政や福祉の専門機関へのつなぎ役として活動する地域福祉の担い手が民生委員。児童委員も兼任する15地区２６９人を先導する。「いろいろな情報を集めてつなぐ、地域のアンテナのような役割。しっかりと皆さんの意見を聞き、メンバーに少しでもやりがいや喜びを味わってもらえるような活動をしていきたい」
○…保土ケ谷区出身。小中と地元で過ごす中、高３の時に知った海上保安庁の職務に「ロマン」を感じて海上保安大学校を受験。見事合格し、４年間の学習と半年間の研修を経て23歳で稚内海上保安部に配属された。厳寒の地での任務は巡視船に乗っての海難救助や流氷観測。寒さと時化が印象深く「風速30メートルくらいの日もあった。心身ともに鍛えられたよ」と笑いながら追懐する。
○…本庁や横浜、鳥取など全国での勤務の後、56歳で退職。航空燃料関連会社への勤務を経て、58歳で自治会長として本格的に地域活動を開始した。１年後、前任者の依頼を受け民生委員に就任。「父がやっていたこともありこれも何かの縁かな、と。やれる範囲内でやろうという気持ちだった」。以来、６期16年の間活動を続ける。
○…多忙な日々の合間に通うのは貞昌院での坐禅会。毎週のように通うも「なかなか『無』にはなれないね」と破顔する。委員の今後の課題として挙げるのは担い手不足だ。「義務感があると長続きしない。大変なイメージがあるかもしれないが、身構えず無理のない範囲でやってみてほしい」と新たな世代への参加を呼びかける。「民生委員は１００年を超える歴史がある『誇りを持ったボランティア』。続けていれば、人との交流が生む喜びや楽しみを必ず感じられるはず」
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