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公開日:2025.06.26

昭和53年創業 (株)大船住研
地震への不安、耐震で”安心”へ
過去の被害から今の家を学ぶ

  • 木造住宅の耐震性について語る畠山さんと同社マスコットキャラクター大ちゃん

法律、昭和からの変遷

 ”地震大国”日本では、昭和から平成、令和と多くの大規模地震が発生した。そして、「建築基準法」もその都度、大地震の教訓を反映させてきた。

 昭和53(1978)年に発生した宮城県沖地震では、死者28人、家屋全壊1183棟、半壊5574棟の被害を出した。これを受け昭和56(1981)年6月に建築基準法が改正。これが「新耐震基準」であり、この基準をクリアした住宅以外は建築できなくなった。昭和56年6月は木造住宅の耐震性において大きな転換点である。

 しかし、その「新耐震基準」も阪神淡路大震災によって改正されることになる。平成7(1995)年、最大震度7の強い揺れを観測。突き上げるような強い縦揺れで柱が土台から抜け、多くの家が倒壊した。

 そこで、土台と柱の接合部に金具を用いるなどの規定が建築基準法に追加。平成12(2000)年の「新・新耐震2000年基準」となった。

グレーゾーンの危険性

 新耐震基準でありながら昭和56(1981)年から平成12(2000)年までの19年間(「新耐震基準」の期間)に建てられた住宅はいわゆる、「グレーゾーン」と呼ばれ耐震性が疑問視されている。

 令和6(2024)年元日に発生した能登半島地震においては被害状況に差があり、国土交通省から発表されたデータによると、被害の大きかった一定地域内での木造建築物倒壊・崩壊率は「新・新耐震2000年基準」でわずか0・7%だったのに対し、「新耐震(グレーゾーン)」では5・4%だった。

市も対策に本腰

 「グレーゾーン」の耐震改修工事については、横浜市も取り組みを始めている。これまで昭和56(1981)年以前の「旧耐震」に関する補助金はあったが、今年度は対象を新耐震の「グレーゾーン」にまで拡大。さらに、補助額も115万円まで増額した。

地域密着で47年

 昭和53(1978)年創業の(株)大船住研は耐震工事を含むリフォームを多く手掛け、補助金申請の実績も多数。木造軸組工法住宅の耐震補強工事におけるスペシャリストだ。そこで、同社の畠山圭造代表取締役に、耐震リフォームなどについて話を聞いた。

 同社は東日本大震災以前の平成20(2008)年から耐震工事説明会を積極的に実施してきた。それは、「旧耐震」の住宅の危険性を軽減させるためだという。

 能登半島地震では「旧耐震」で耐震補強を行っていた調査対象の住宅38軒のうち、倒壊・崩壊は実に0だった。

 畠山さんは「まず耐震診断を受けることで自宅の状態を知ることができます。木造住宅は柱や土台が傷むと家全体の耐震性が下がってしまいます。2000年までに建てた家は旧耐震時代の考えを踏襲しているケースもあり、根本的に揺れに耐えるための耐力壁を増やしたり、住まいの基礎的な耐力アップをしたりすることで、揺れへの抵抗力を高めることが有効です。さらに熊本地震のように複数回強い揺れに耐えることまでは想定していない」という。また、横浜市ではグレーゾーンの住宅についても補助金が創設されたため、「築24年をこえる住宅は耐震工事を検討してもいいと思います」と話した。

株式会社大船住研

栄区小菅ケ谷2-43-13

TEL:0120-88-3699

https://o-jk.co.jp/

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