港南区・栄区 文化
公開日:2025.11.18
曹洞宗 有志団体
県遺族会に寄付金
栄区の寺院が協力
栄区にある正翁寺が事務局を務める曹洞宗の有志団体「即心会」が11月7日、港南区のかながわ平和祈念館で神奈川県遺族会の森本浩吉会長に寄付金を手渡した。即心会とは曹洞宗の僧侶たちが共に研修を行うための集団。神奈川県と東京都にある寺の住職、約90人で構成されている。
寄付金は即心会が10月に、曹洞宗の大本山である總持寺(鶴見区)で行った萬燈供養会の参加者から募った志納金の一部。正翁寺の篁(たかむら)保雄住職と、即心会の会長を務める永明寺(泉区)の石田征良住職が企画した。
今回の取り組みは篁住職が、3月に日刊紙で川崎大空襲で被害に遭った語り部の記事を読んだのがきっかけ。「記事から『平和とは与えられるものではなく、努力して維持していくもの』というメッセージを受け取った。今年は戦後80年でもあるので、語り部が多く所属する県遺族会になにか貢献したいと思った」と当時の心境を明かした。
その後、供養会を開催し、寄付金を集めるというアイデアを考案した篁(たかむら)住職と石田住職は、多くの人を収容できる会場を確保するため、總持寺に相談。仏殿を使用することになった。
萬塔供養会には約100人が集まり、それぞれ願い事を書いた経木を焚き上げた。
寄付の実施に際して石田住職は「本山の仏殿でこのような取り組みをするのは初めてだったので、供養会に多くの人が来てくれて良かった。寄付金は遺族会の方々に自由に使って欲しい」と語る。県遺族会の森本会長は「会員でしっかり検討したうえで、大切に使っていきたい。即心会の皆さまには深く感謝申し上げる」と話している。
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