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港南区・栄区 社会

公開日:2025.12.04

パスセンター小島さん
自己受容し、他者を頼る

  • 取材に応える小島施設長

 神奈川県は2024年、民間企業における障害者の雇用率で2・4%を記録し過去最高を更新したが、全国平均には0・1ポイント及ばなかった。また2019年以降、県は全国平均を一度も上回っていない状況が続いている。そこで障害者週間に際して、障害者などの就労を支援している事業所、パスセンター上大岡プラザの小島育宏施設長に「当事者の就職」について話を聞いた。

 (一社)神奈川社会福祉支援パスセンターが運営する3つの事業所の一つである上大岡プラザ。同団体は10年間で300人以上を就職へ導いてきた。また、全国に80以上の就労移行支援事業所が加盟している(一社)社会福祉支援研究機構において、港南区・栄区で唯一の加盟事業所。うつ病を含む気分障害のある人が主に利用している。そのような対象者に資格取得のサポートや就職支援などを行ってきた。

支援 言語化を

 利用者にとって就職活動での最大の課題は「自己の受容と表現」と小島施設長は話す。「自分を受け入れられないと、必要な支援を言語化して、他者に上手く伝えられない」。そのため、利用者にはどのような時に自身の気持ちが辛くなり、沈んでしまうのかを振り返るように促す。しかし、当事者にとっては辛い記憶を思い出さないといけないため、負担感のある作業だ。それでも、「就職活動も円滑になる。また支援や配慮が必要な時、勤務先に伝えやすくなる」と小島施設長は自己受容とそれを表現することの重要性を話す。

 また、定着率に関しては、1年以上事業所に通っていた人よりも、3カ月など短期間の利用で就職した人の方が離職しやすいという。「生活保護などの対象になる人でも、それを恥と感じて支援を拒否し、急ぐように就職する人もいる」と話し、「その人が抱える問題を時間をかけて理解しないと、私たちも適切な支援をしづらい」と明かした。

 就労意欲のある障害者に対して「行政や身の回りの人を頼ってみて欲しい」と呼びかける。

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