港南区・栄区 社会
公開日:2025.12.04
港南区障連・早坂会長
「互いを知ることが大切」
「障害者の申し子かと思った」。港南区障害者団体連絡会の会長を務める早坂由美子さん(港南台在住・74)は、次男の拓真さんが知的障害と知った時の思いを赤裸々に語る。障害者基本法が改正される2004年以前は、12月9日を「障害者の日」と定めていた。現在44歳になる拓真さんは、その障害者の日に誕生した。
長男と比較すると1歳頃になっても発語がなく、運動機能にも後れを感じていた。早坂さんは「病院に行っても原因が分からず、不安な日々を過ごしていた」。2歳になる前にとある医師から「学校には行けると思うが、そこで学ぶことが(拓真さんにとって)良いかどうかは分からない」と告げられ、「徐々に知的障害を受容していった」と話す。最終的には「この子が幸せになれなかったら、家族は幸せになれない。拓真が幸せになるために何でもやろう」と前を向いていくことを決意した。
その時に出会ったのが障害児とその親で活動する訓練会「すずな会」だ。同年代の母親から地域福祉の情報を得たり、会員同士の体験を語りあったり早坂さんは「公園などでつらい言葉をかけられたこともあった。でも、(私と)同じ、仲間がいる」と親子で参加する訓練会が、安心の拠り所になっていった。
訓練で発信
11月16日、港南台第一小学校で開催された「地域防災拠点運営訓練」の中で、周辺自治会に住む身体障害者、精神障害者、自閉症の当事者、家族らと災害時に地域住民に手助けして欲しいことなどを共有した。「障害者は、防災訓練に参加することも難しいし、遠慮してしまう。未だに『何をされるか分からない』『ちょっとこわい』と言ったイメージもある」。しかし、災害は予期せぬタイミングで発生することもある。
早坂さんは「地域で孤立してしまったら災害時に、助けてもらうこともできない。障害者、当事者家族らから発信し、知ってもらい、見てもらったほうが良い」と思い、同訓練で各障害特性の情報を共有した。
災害は障害者にも待ったなしで発生する。同小学校の地域防災拠点、酒村伸二運営委員長は「地域でどのような人がいるのかを理解して把握することは、とても重要なこと」と話す。
早坂さんは「障害者、健常者と分けるのではなく、お互いを知ることが大切だと思う。知ることでつながることもできるので、これからも発信していく」と前を向く。
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